テーマ:BAR大好き!!(731)
カテゴリ:BAR
20年ぶりくらいの訪問だったから、そこへ行き着くまで、だいぶ迷ってしまった。「何度も上京しているのに、いつも通り過ぎるばかりでごめんなさい」とつぶやきながら…、ようやく目指すBarの入り口に来た。
午後4時半という嬉しい開店時刻と同時に、店にお邪魔した。Bar「Camellia(カメリア)」(写真左)。東京駅の建物の中にあるホテル、「東京ステーションホテル」の2階にある、歴史を感じさせる素敵な酒場だ。 クラシックな赤レンガが美しい東京駅のなかに、ホテルがあること自体あまり知られていない。1914年(大正3年)開業というから90年余の歴史を刻む、由緒あるホテル。 丸の内側のほぼ中央にホテルの入り口があるが、玄関をくぐると、レトロな雰囲気を漂わせたロビーの素晴らしさに、ため息が出る。 カメリアはそのロビーを抜けて、2階に上がり、細く長い、曲がりくねった廊下を5、6分ほど歩いたところにある(写真右=カメリアのバック・バー。壁のロゴにもレトロな趣が…) 「こんなところにバーがあるなんて…!」というロケーション。カメリア自体は、1951年(昭和26年)のオープン。バー入り口のすぐ側の窓からは、八角形をした1階の改札口前広場の風景が見下ろせる(写真左)。何千、何万という出会いと別れの舞台だったに違いない場所が…。 そして、バーの窓からは駅のホームや、到着・出発する列車も見える。駅というドラマの舞台がこんな近く、肌で感じられる酒場を、作家が小説の材料として見逃す訳がない。 川端康成、内田百聞、江戸川乱歩、松本清張…と、Barカメリアは、数多くの作家に愛されてきた。このホテルに泊まり、カメリアの居心地のいいカウンターでウイスキーを飲むのを愛したという。とくに松本清張は、この酒場で、あの名作「点と線」のアイデアをひらめいたとか。 カメリアは文字通り、隠れ家的なバーであり、バー愛好家にも意外と知られていない名バー。ここにはいつもと変わらぬ、ゆっくりとした素敵な時間が流れている(写真右=絵入りのコースターも素敵だ)。 【カメリア】東京都千代田区丸の内1丁目9-1、東京ステーションホテル2階 電話03-3231-2511 午後4時半~11時(平日)、午後4時~9時(日祝日) 土曜のみ休業 【追記】東京駅ビルの全面改造に伴い、東京ステーションホテルも改装されることになり、カメリアも建物内で移転・改装されるというニュースを、その後聞きました。現在の装いのカメリアが楽しめるのは2月末とのこと。カメリア自体は残るにしても、あのレトロな旧カメリアがなくなるとはさびしい限りです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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ホテルのロビーまで入って、美術鑑賞したことはありますが、その先には入ったことありませんでした。
こういうBarがあるとは、このように紹介していただかないとわからないものです。 だけどホテル利用者は気づくでしょうが、一般の人では、うらんかんろさんのように相当、通でないと知らないのではないでしょうか。 (2005/10/17 09:17:05 AM)
いくつもの出会いと別れが交差する場所。歴史ある東京駅に佇むBARはたくさんの景色を見てきたのでしょうね。線路脇の振動や電車が通り過ぎる音を聴きながら、文豪たちはどんなインスピレーションを得たのでしょうか。
しかし、東京駅なんて、東京の中心なのに、こんな素敵なBARがあるなんて! 誰もが通過点として考えているから、目に留まる人は少ないと思います。うらんかんろさん、さすがです。 (2005/10/17 11:03:13 AM)
久里風さん、こんばんはー。またまた書き込み、有難うございまーす。
>ホテルのロビーまで入って、美術鑑賞したことはありますが、その先には入ったことありませんでした。ホテル利用者は気づくでしょうが、一般の人では、うらんかんろさんのように相当、通でないと知らないのではないでしょうか。 カメリアは表に看板も出してないし、泊まり客以外の一般の人はまず、 気付かないBARでしょうね。もし東京駅に行く機会があれば、ぜひ一度訪ねてみてください。 ロビーから、カメリアまでは2階に上がってから廊下をかなり歩かされますが、 それもまた趣があって面白いシチュエーションのBARです。 (2005/10/18 12:35:04 AM)
ステラビアさん、こんばんはー。
>いくつもの出会いと別れが交差する場所。歴史ある東京駅に佇むBARはたくさんの景色を見てきたのでしょうね。線路脇の振動や電車が通り過ぎる音を聴きながら、文豪たちはどんなインスピレーションを得たのでしょうか。 大阪にも、大阪駅を発着する電車の振動が聞こえるBARはありますが、 立ち呑み屋の並びにあるので、雰囲気はカメリアにまったく勝てませーん(笑) >東京駅なんて、東京の中心なのに、こんな素敵なBARがあるなんて! 誰もが通過点として考えているから、目に留まる人は少ないと思います。うらんかんろさん、さすがです。 20年ぶりの再訪でしたが、変わっていないことの有り難さを、 これほど感じるBARは、日本全国でも数少ないかもしれません。 カメリアは、旅人を、これからも温かく迎えてほしいなと心から願っています。 (2005/10/18 12:40:37 AM) |
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