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カテゴリ:歴史
私:テレビ認可が片付いて次に問題になってきたのは、マイクロ波通信網認可に正力が乗り出すときのアメリカの支援だ。 A氏:正力としては日本テレビの後、マイクロ波通信の準備が控えているんだね。 私:そこに児玉誉士夫とのW作戦で失敗して活動資金が欲しいドゥマン・グループが介入してきた。 A氏:ホールシューセンは面白くないだろうね。 私:ホールシューセンのドゥマン・グループへの抵抗活動は彼が属する外交委員会と国務省を中心とする政府情報機関との競合関係にまでなる。 しかし、いろいろな曲折の後、アメリカ国内では借款工作はドゥマン・グループとCIA主導で行われるようになった。 A氏:また、吉田の力が必要になるわけだ。 私:ところが、正力の通信網の設立には、NHK、電電公社の労使が反対する。 A氏:えっ! 私:自由党の党内事情が大きく変わった。 A氏:メディアだけでなく政界進出かね。 私:1954年、吉田が正力の借款つぶしを決意するのを見て、ドゥマン・グループも百八十度転換し、正力から電電公社支持に変わった。 しかし、冷戦の激化で、アメリカは日本政界のコップの中の嵐をいつまでも見守っていることはできなかった。 結局、いろいろあり国会などの反対論で正力によるマイクロ波通信網構想はつぶされる。 A氏:それであきらめたわけかね。 私:CIA文書は正力がそれで諦めたのではなく、むしろ、それを自分の思い通り作るために政治に打って出たということを明らかにしているという。 A氏:「プロ野球の父」「テレビの父」「原子力の父」と言われるようになったのはすごいね。 私:でも、最近、プロ野球は裏金問題、テレビはやらせ、原子力は嘘のデータといずれも体質的問題を露呈しているのは時代の流れとは言え、皮肉だね。 この本では総体的にCIAとの関係はそんなに新しい情報は感じられなかったね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.04.26 06:43:30
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