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知的漫遊紀行

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Ryu-chan6708

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2007.04.26
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カテゴリ:歴史
             

テレビ認可が片付いて次に問題になってきたのは、マイクロ波通信網認可に正力が乗り出すときのアメリカの支援だ。
 ドル資金を約束したホールシューセンのほうが、アメリカで影響力を発揮できず、約束を守れず、遅れてきた。

A氏:正力としては日本テレビの後、マイクロ波通信の準備が控えているんだね。

:そこに児玉誉士夫とのW作戦で失敗して活動資金が欲しいドゥマン・グループが介入してきた。
 正力とホールシューセンの行き違いに目をつけて、その仲裁に成功すれば仲介料が入る。
 
CIA
としても日本テレビは日本企業だから表立って後押しできないが、ドゥマン・グループに協力する形なら表だって問題はあまりない。
 しかし、ホールシューセンの遅れを待っていられないので、正力は独自で設計を進めていた。
 1953年、CIAが遅れを待てずマイクロ波通信網の設置計画に直接乗り出してきた。
 
そして、ホールシューセンを無視しドゥマン・グループが国務省などに働きかけて借款を得る活動をはじめる。

A氏:ホールシューセンは面白くないだろうね。

:ホールシューセンのドゥマン・グループへの抵抗活動は彼が属する外交委員会と国務省を中心とする政府情報機関との競合関係にまでなる。

 しかし、いろいろな曲折の後、アメリカ国内では借款工作はドゥマン・グループとCIA主導で行われるようになった。
 
ドゥマン・グループとして実際の交渉には菅原という日系二世が活躍する。
 後は、正力による日本政府からの承認待ちまでとなった。

A氏:また、吉田の力が必要になるわけだ。

:ところが、正力の通信網の設立には、NHK、電電公社の労使が反対する。
 電電公社の組合と社会党は、アメリカと結託した正力は売国奴として映った。
 そして、吉田が逆に正力つぶしに動く。

A氏:えっ!
 吉田は正力側だろう?

私:自由党の党内事情が大きく変わった。
 追放解除で戻った鳩山が打倒吉田の動きを活発化して、正力を「次期首相」の甘いささやきで自陣にとりこもうとしていた。
 正力も政治的野心をあらわにしだした。

A氏:メディアだけでなく政界進出かね。

:1954年、吉田が正力の借款つぶしを決意するのを見て、ドゥマン・グループも百八十度転換し、正力から電電公社支持に変わった。
 鳩山・正力と吉田・犬養の政治争いになったので、アメリカ側はその決着を静観することになった。
 そして、正力の政治的野望が解決を困難にした。

 しかし、冷戦の激化で、アメリカは日本政界のコップの中の嵐をいつまでも見守っていることはできなかった。
 国防総省はマイクロ波通信網を日本テレビでなく電電公社に作らせることに方針転換する。

 結局、いろいろあり国会などの反対論で正力によるマイクロ波通信網構想はつぶされる。

A氏:それであきらめたわけかね。

:CIA文書は正力がそれで諦めたのではなく、むしろ、それを自分の思い通り作るために政治に打って出たということを明らかにしているという。
 そして目をつけたのは原子力発電の導入だった。
 こうして1955年に富山二区から衆院選に出馬し、当選後はすぐに北海道開発長官新設の原子力委員会委員長新設の科学技術庁長官となる。
 そして、読売新聞と日本テレビを動員して原子力に強いアレルギーを持つ日本世論を転換して原子力発電へと導く。
 
そして「原子力の父」の称号を得る。

A氏:「プロ野球の父」「テレビの父」「原子力の父」と言われるようになったのはすごいね。

:でも、最近、プロ野球は裏金問題テレビはやらせ原子力は嘘のデータといずれも体質的問題を露呈しているのは時代の流れとは言え、皮肉だね。

 この本では総体的にCIAとの関係はそんなに新しい情報は感じられなかったね。
 むしろ、知的興味は敗戦直後のジャパン・ロビーの活動という次の知的街道に向うね。






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Last updated  2007.04.26 06:43:30
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