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りゅうちゃんミストラル

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2005.05.16
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カテゴリ:読書
花村萬月によるこの作品は、「王国記」シリーズの第5巻、
芥川賞受賞作品「ゲルマニウムの夜」から数えると6冊目になる。

今日はこの作品から見る宗教、特にカトリックについて考えたい。

このシリーズで語られるのは宗教、暴力、そして性だ。
そして今回「午後の磔刑」では主人公の息子による奇蹟と神の出現を予感させる。
今後、この息子がさらに超人的な活躍するのかもしれない。

著者はこうしたテーマを独特の視点で切る。
それは、次のような表現から見ることができる。

「聖女の本質は汗と体液なのだ」

「宗教とは、いや神とは、見えざる心の障害のことだ」

「人々に神を説く者の多くが唯物論者」

あまりの切り口に、宗教団体やカトリック信者からクレームが来るんじゃないかと思うくらいの作品だ。

こうした批判に対し、カトリック信者はどう思っているんだろうか?

私は考える。

カトリックを含め、キリスト教によって救われる人は確かにいるだろう。
そのために私はキリスト教を全否定できない。

だが一方で、教会内での性的虐待事件(注1)や、
人工中絶反対の「プロライフ」(注2)と呼ばれる考え方、
そして進化論の拒絶(注3)と多くの問題を抱えている。

多くの人にカトリックが信頼されるようになるには、
こうした問題に対して真剣に取り組まねばならないだろう。

かつて私はこう書いた。

天国はどこに?キリスト教を疑う

今でもこの考え方は変わっていない。
私はキリスト教を今でも信じていないし、
その考え方には危険な香りがする。

この「王国記」シリーズはまだ終わりを見せない。
続編では別の場所で話が展開するだろう。


注釈

(注1)教会内での性的虐待事件

「王国記」シリーズでもこの問題が表現されているが、
この聖職者による性的虐待は大変根が深い。
と言うのもキリスト教をはじめ、多くの宗教は「人の幸せ」をテーマにしているはずだ。
カトリックの聖職者が性的虐待問題を起こすのは、そもそも宗教としての本質を外れた行為でしかない。
聖職者に性的虐待を奨励するためにバチカンは、
聖職者の結婚を禁止しているわけではないからだ。

また、キリスト教自身にも「自浄能力」がないためにこうした事件が続いてしまう。
そのことを教会関係者や信者はどう考えているのか?

私はここに断言する。

教会内での聖職者による性的虐待事件があるのなら、キリスト教は必要ない。
人を不幸にする宗教はもはや宗教ではない。


また、キリスト教自身に自浄能力がないのなら教会は解散すべきだ。

キリスト教聖職者の性虐待


(注2)人工中絶反対の「プロライフ」

人工妊娠中絶に関しては、中絶反対派の「プロライフ」の他に、
中絶を権利とする「プロチョイス」がある。

プロチョイスとプロライフ

私はまず、プロライフがキリスト教を背景にしているところに違和感を感じる。
と言うのも、科学的事実と宗教が一緒になることは危険極まりないからだ。

それはかつての天体論でキリスト教(プロテスタント含む)が自由な議論をを否定し、
地球が宇宙の中心でないと主張したブルーノ(イタリア)を火炙りにしたことからも証明は容易にできる。

人間中心でなければ納得しないキリスト教のは人殺しの歴史を持つ。

地動説

科学的事実は事実、宗教は宗教と分けて考えないとまた悲劇は起こる。
「天体論での悲劇が過去のこと」
と言う人のためにこんなページを用意した。
火炙りは悲劇などではなく、単なるキリスト教による殺人だが。

文字通り 命がけの妊娠中絶

もうひとつ。

先日亡くなったローマ不王はたとえエイズ予防のためでもコンドームの使用に反対した。

ローマ法王死去 冷戦終結に貢献、宗教和解 在位26年、84歳(産経新聞社)

この姿勢は新法王も同じらしい。

ではカトリックはエイズ予防におけるコンドームの使用以外に、
どんな回答を用意しているのか?

新ローマ法王誕生で南アのツツ元大主教、HIV問題で失望表明(藤田徳人ブログ)

エイズ予防にコンドームが使えなければ、
世界中にいるエイズ感染者にバチカンはどうしろと言うのか?

バチカンが人工中絶を否定したいという考えも理解できなくはない。

確かに人口中絶は日本でも年間30万件と言われている。
人工中絶は多くが合法的な殺人であり、これは大きな問題だ。

だが、世の中には事実として中絶が必要な人もいる。
遺伝性の病気や強姦が原因で中絶を余儀なくされる人のことを、
バチカンは真剣に考えるべきだ。

(注3)進化論の拒絶

アメリカでは学校で進化論を教えないという。
これはキリスト教を背景としたバトラー法などの影響が今でも残っているからだ。
その証拠にアメリカ人の多くは科学的に進化論を理解していない。

天国はどこに?キリスト教を疑う

何度でも言う。
科学的事実を探求するための研究と宗教は分けるべきだ。


追記

私の日記に対してトラックバックしている人がいる。
こちらも意見を述べる。。

宗教考 その2 宗教は悪をもたらすか(わいるどわ~るど)
(その後、この記事は削除されたようだ。早い話が逃げたということだ)

その中でこう言っている。

>じゃあ、宗教がなくなったら人間は争いをやめるの?多分やめないんじゃないでしょうか。認めたくはないけど、恐らくそれが人間の本能だという気がしてしまう。放っておけば殺し合う、そうならないために宗教があるはずなのに、逆に宗教が殺し合うための大義名分になってしまっているのではないのかな?宗教が存在するからこの世の中に悪が蔓延るというより、宗教があっても悪はなくならない。

私は宗教が必要ないとは言っていないし、宗教をこの世からなくそうとも思わない。
宗教は確実に普及しており、「宗教がなくなったら」という仮定自体が意味のないことだ。
このことは今回意見を寄せていただいた人も気がついているだろうけど。

ただし宗教の腐敗を正すこと、そして宗教と科学を分けて考えなければ悲劇が待っているだけ。
問題は「簡単か否か」ではない。「やるかやらないか」だ。
そして「宗教があるか否か」が悪の存在に直接結びつくわけではない。
ところで「宗教が存在するからこの世の中に悪が蔓延る」というのはどこからの引用だろう?
少なくとも私はそう言った覚えはない。
何でもひとつの解答で物事が解決するかと言えば、そんなに社会は簡単ではない。
ただ宗教の腐敗がなくなれば、犠牲者は減る。
つまり宗教の腐敗撲滅と科学との区別は「多くある答えのひとつ」であるということ。

宗教関係者の不正が大きなニュースになるのは、「宗教が人に救いをもたらすもの」だからだ。
教会内の性的虐待は教会本来の「人を救う」ということとコントラストがあるから多くの人はそのニュースを聞いて、見て悩む。

>だったら宗教が悪用されないようにするにはどうしたらいいんだろう?

>それは・・・わかりません。


監視するしかない。宗教を疑いの目で監視する。
キリスト教自身に「自浄能力」がなければ。
そして「科学と宗教」をどこかで区別しなければ両者に将来はない。
これが私の回答だ。


追記の追記

私に反論してきた人が、こう言って私に謝罪した。

>コメントありがとうございます。りゅうさんの元記事、興味深く拝読しました。確かにそうだなあと共感しつつも、難しい問題だと感じます。

>りゅうさんの記事は引用ではなく、興味深い参考記事として取り上げさせて頂きましたが、誤解を招く文面だったようでお詫び致します。失礼致しました。


この人の元の文章では、「興味深く拝読」「興味深い参考記事」などとは書いていなかった。
ただ単に私を批判しただけではなかったか?
しかも私は「りゅうちゃんミストラル」だ。
決して「りゅうさん」ではない。名前を間違えるとは失礼だ。


追記の追記の追記

私に反論してきた人がこう謝罪した。

>追記:本記事は興味深い参考記事として「りゅうちゃんミストラルさん」の記事、『「午後の磔刑」 に見るカトリック』へリンクしてありました。しかし、引用が不適切であり、批判と受け取られても仕方のない文面になっていたため、先方にご迷惑をおかけしてしまいました。深くお詫びいたします。記事はりゅうさんを批判するために書いたものではありません。誤解を招く箇所を一部修正致しました。

今回のことは私にとって不愉快だし、迷惑している。
この人のその後の処置にも大いに問題がある。
今後こうしたことがないようにこの方には大いに反省していただきたい。


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最終更新日  2005.06.15 11:09:21
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