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りゅうちゃんミストラル

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2009.01.21
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カテゴリ:読書
北村薫「ターン」を読んだ。
(この記事はネタばれあり)

     

正直、私は北村薫の作品が初めて。
どうして今まで読まなかったのかが不思議なくらい。
「ターン」は読みごたえのある、読んで損はない作品だった。

29歳の売れない女性版画家が主人公。
彼女は子どもたちに美術教室を開いている。

ある日、教室で使うダンボールをもらいに車で出かける彼女。
7月の暑い夏の日だった。
大通りで彼女は事故に遭い、乗っていた軽自動車は横転。

その時点から、彼女はもうひとつの世界へ入ってしまう。
事故が起きた午後3時15分になると前日に戻るその世界。
人は自分以外誰もいない。
犬や猫までいない世界で彼女の生活が始まる。
それがかなりのページまで続く。

異色のミステリー小説は、この時点まで読めるかどうか。
それにかかっている。
もし、この時点まで読めれば最後まで読むのは容易だ。

そして150日目に家の電話が鳴る。
電話をかけたのは、彼女の作品を買った男性。
自分だけの世界からこの「ホットライン」だけが世界へ通じる。

実際の世界で彼女は病院にいた。
事故以来、眠ったままの彼女。
彼女は元の世界へ戻れるのか?

この小説で思い出したのがあるアニメ映画。

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー

「うる星やつら」の場合は、何人かの仲間が一緒だった。
孤独を感じなくて済むのは「ターン」とは違う。

永遠に繰り返される毎日。
それを望んでいる人はいるかもしれない。
何しろ、本は読み放題。
時間無制限でやりたいことができる。
私も、この世界に行きたいと思う。
そうすれば、「失われた時を求めて」など長編作品を読めるから。

もちろんデメリットもある。
それは他人と触れ合えないこと。
よく、こんなことを言う人がいる。

「人は一人では生きていけない」

確かにそうだ。
毎日、午後には昨日に戻ってしまう。
話し相手すらいない。
(主人公には話し相手はいる。その正体がわかるのはかなり後になってから)
彫刻の作品を残すこともできない。
日記も書けないのでは面白くない。
人はどこかに「自分の存在」を残しておきたい生き物だからだ。

作者の主張がわかるのは、残りページが少なくなってから。
決して斬新ではないが、テーマとしては納得できるものだった。

北村作品なら、次は「スキップ」になるのだろう。
どこかで調達しなければ。


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最終更新日  2009.01.22 16:07:19
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