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カテゴリ:映画
監督: 山崎貴
少しあらすじ 昭和34年、茶川(吉岡秀隆)は黙って去ったヒロミ(小雪)を思い続けながら淳之介(須賀健太)と暮らしていた。ある日、淳之介を連れ戻しに来た父親川端(小日向文世)に、子どもを立派に養えることを証明すると約束する。茶川は芥川賞に挑戦することを決意。鈴木オートも家族を上げて応援する。 感想 ヒット作の続編はイマイチの出来になることが多いが、これは期待以上の作品だった。 タヌキの話とかヒロミとの関係で重要な指輪のことなどは前作を観ていなければわからないので、単独の作品として観た場合は弱いかも知れないし、子役が成長していて時系列的には少し変なところもある。でも共感できるエピソードが重ねられ、素直に感動させられる。 2作目でキャストも同じということで親しみやすくなっている関係でもあるのだろうけど、茶川にいろいろとお節介をやく鈴木(堤真一)、幼なじみの裏切りに怒るロク(堀北真希)に前作とは比べ物にならないほど感情移入した。 実は町内のみんなが茶川を応援していたということがわかるシーンでは涙がとまらない。 川端が、夢と現実という問題を指摘する(こういう冷たい言い方をする時の小日向文世の演技は絶品)。実際、茶川たちの将来にはたいへんな困難があるだろう。その現実問題はさておき、今は美しい夕日を見ていたい・・・そんなラストシーンが好きだ。 堤真一・薬師丸ひろ子・堀北真希・小雪それぞれにいい。子役では初登場の小池彩夢が好印象。 余談 かつては芥川賞をとれば一生安泰と言われたものだが、今の現実は厳しいらしい。それだけ文学(ましてや純文学)のマーケットは縮小しているということなのだろう。 私の知り合いが編集にかかわっているということで応援していた「関西文学」という同人誌がある。それが来年の3月で休刊になるという通知が先日あった。時代の変化というのは致し方ないことではあるし、それに対応できないものは消えてしまうというのが現実だが、文学はそれで良いのだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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