カテゴリ:生活と健康を守る会
今日、事務所に来た相談者は、83歳の上品なおばあさん。
この年で高等女学校に行っていたというので お嬢さんだったんでしょう。 昭和20年に戦争から帰ってきた夫が病死し、 昭和25年にたった1人の子どもが亡くなり、 それ以後ずっと1人ぐらしです。 高齢になってから ちいさな病院で先生に頼まれ検査助手で働いていました。 その頃、知り合った女性がいました。 その女性は、1人ぐらしのおばあさんに優しく おばあさんは、いつかこの女性を養女に…と思うほどでした。 しかし、 その女性におばあさんは騙されたのです。 女性はおばあさんの持つクレジットカードや銀行カードを盗み お金を引き出し、借金や買い物をし、逃げてしまいました。 おばあさんには、 おばあさん名義の借金だけが残りました。 警察に行き、告訴し、 警察は女性を見つけました。 しかし、女性は「逮捕だけは…」と謝罪し、 警察も「逮捕したらお金は返らない、それでも逮捕するか、 それとも、告訴を取り下げ、少しずつでもお金を返してもらうかは あなた次第」と言いました。 女性も「返します」と言いました。 女性は透析をしないといけない体になっており、 障害年金をもらっていました。 その中から年金月に2万ずつ返済をしていくという約束でした。 しかし、その女性は亡くなってしまったのです。 残ったのはおばあさん名義の借金だけ。 借金返済のために、自分の厚生年金担保に銀行からお金を借りていたので 収入は国民年金全額と厚生年金半額(両方でつき5万5000円)しか 生活費がありません。 その中から、借金返済をしていたのです。 家賃は5万5000円でしたが 家主に話すと4万5000円にまけてくれたそうです。 でも、生活費には足らない。 おばあさんは、生活費のために、いとこからお金を借り その借金は120万円にもなっていました。 いとこの子どもが大学に入学したそうで 貸していたお金120万円を返してほしいと言われ、 お先真っ暗になり、事務所に相談に来られました。 年金担保の半額返済は2月に終わります。 それが終わると、2つの年金だけで食べていけます。 2月まで、何とか助けてほしい…そういう相談でした。 来週、はじめに、生活保護申請に行きます。 借金は弁護士に相談する予約をしました。 おばあさんは、 「もう死にたい、最近流行ってる自殺を考えたけど 自分にはできなくて、もう、つらくてしょうがなかった」 そう言っていましたが 事務所を出る頃には笑顔も見られるようになりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[生活と健康を守る会] カテゴリの最新記事
…本当に、何という人生なのでしょう。
昭和25年から、60年間も、たったで一人つつましく暮らしてこられたのでしょう。 ご子息の死因は分かりませんが、明らかにこのご婦人も戦争の犠牲者です。 恨みつらみも言わず、ただまっ正直にひっそりと暮らしてこられた… こんな方が、何でこの人生の最終版に、死ぬほどの苦しみを背負わねばならないのでしょう。 世の中間違っています。 こういう方々が『生きていて良かった!』と笑顔で人生を謳歌できない社会は、絶対に間違っています。 どうか力になって差し上げてくださいm(__)m (2008年04月26日 14時58分42秒)
ほんまやで…。今の日本、「生きていてよかった」じゃなく「早よう、死にたいわ」ってみんな言ってるもんね。早く、「生きていてよかった」と思うような政治に変えなければ!
(2008年04月26日 22時04分59秒)
|
|