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ミステリの部屋

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2010年06月28日
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「まだそっち側に行ってはいけない。そっち側に行ったら、二度と引き返せない。」
幼い時から舞台に立ち、多大な人気と評価を手にしている 若きベテラン・東響子は、
奇妙な焦りと予感に揺れていた。
伝説の映画プロデューサー・芹澤泰次郎が 芝居を手がける。
近々 大々的なオーディションが行われるらしい。
そんな噂を耳にしたからだった。
同じ頃、旗揚げもしていない無名の学生劇団に、ひとりの少女が入団した。
舞台経験などひとつもない彼女だったが、その天才的な演技は、次第に周囲を圧倒してゆく。

稀代のストーリーテラー・恩田陸が描く、めくるめく情熱のドラマ。
演じる者だけが見ることのできるおそるべき世界が、いま目前にあらわれる!
内容(出版社より)



友人の薦めで読みました。
推薦の言葉は、 「『ガラスの仮面』だよ。」でした。

『ガラスの仮面』は美内すずえ作の少女漫画で、一見平凡な少女、北島マヤが、演技の才能を見いだされ、花開かせていきます。

『チョコレートコスモス』に登場する佐々木飛鳥も、北島マヤを思わせます。

彼女は、一度見た芝居のセリフや役者の動作は たちまち覚えてしまうし、本能的に役を理解して入り込み、時には最高の形で演じるために 演出さえ変えてしまいます。

ただ、北島マヤと違うところは、人間臭さが感じられないところ。
有名になりたいとか、いい役が欲しい、という欲もなく、突然自分の才能が認められることに戸惑う、不思議な少女です。

初めて飛鳥が現れる場面から引き込まれ、学生劇団の練習場面、急に決まった旗揚げ公演、悩めるサラブレッド女優・東響子の登場、大物プロデューサーが無理難題をふっかけるオーディション、と、見どころの連続でまったく目が離せませんでした。

オーディションの課題である、サキの短編や、『欲望という名の電車』の一場が、演じる人が変わるたびに、まったく違うものになるという面白さが、臨場感を持って迫ってきました。


ミステリではないのに、この緊張感。
一緒に舞台に立ち会っているかのように気持ちが熱くなり、読むのがやめられませんでした。


そして、読み終えたあと、満足していない、自分がいました。
まだまだこの先が読みたい!と。

もしかしたら、この1冊は、伝説の序章なのではないでしょうか?

演劇にかける情熱、という嵐のような心を持った人々の中で、ポツンと空白があるかのような、飛鳥の心。

今は演劇ロボットのような飛鳥が、これからどんな変化をとげていくのか、ぜひ見てみたい、という気持ちになっていました。










チョコレートコスモスは、ほのかにチョコレートの香りがするそうです。






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最終更新日  2010年06月28日 23時12分48秒
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