4493158 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

システムエンジニアの晴耕雨読

システムエンジニアの晴耕雨読

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2007.04.27
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類



プラトン「パイドン 魂の不死について」

 訳は、岩田靖夫。


 「パイドン」

 ・・・ソクラテスの死刑執行の当日。

 死刑執行になりそうな日の早朝、
 友人のクリトンがソクラテスに脱獄を勧めた「クリトン」の続きです。

 
 副題のとおり、「魂の不死について」の議論があります。


 冒頭、友人のパイドンに対して、ソクラテスは、

 若い哲学徒の友人たちへ、自分の後を追って早く死ぬようにと言い残します。

 「人間にとって生きることよりは死ぬことの方がより善い・・」と。

 ちょっとびっくり。


 「哲学者は死を恐れない。

  死とは魂と肉体の分離であり、哲学者は魂そのものになること。

  すなわち、死ぬことの練習をしている者であるのだから。」


 一方、
 「すべての戦争は財貨の獲得ために起こるのだが、
  
  われわれが財貨を獲得せねばならないのは、

  肉体のため、奴隷となって肉体の世話をしなければならないからである。

  こうして、これらすべての理由によって、
 
  われわれは哲学をするゆとりを失うのである。」

 
 肉体の世話ではなく、魂の世話をせよ、というのが結論になるのですが、

 人が死に、肉体が滅びた時、魂はどうなるのか、

 という議論が始まります。


 途中、
 
  大食や好色や酒びたりの生活をしたものの魂は、ロバの種族に入り、

  不正や独裁政治や掠奪を選んだものの魂は、狼や鷹や鳶の種族に入り、

  市民の公共の徳、思慮とか正義を実践したきたものの魂は、
  
  ミツバチとか、スズメバチとか、蟻のような種族に生まれ変わったり、
  
  再び人間に生まれ変わったりする・・・という。


 ソクラテスは、ケベスとシミアスという二人の若い哲学徒を相手に問答を通した結果、

 最後にこういう。
 
 「よろしい、これで、魂が不死であるという点に関しては、証明は完了した、

  と言おうか、それとも、どう思うかね」と問うと、ケベスは、

 「はい、まったく充分に証明されました、ソクラテス」と。

 
 ・・・おいおい、ほんとにそうか???


 でも、魂が不死である以上、

 また魂の世話の度合いによって、来世での生まれ変わりが決まるのだから、

 私たちは、未来永劫、魂の世話をしなければならない。

 
 これって、哲学?!
 
 ではなくて、ソクラテス宗教なんだろうな。



 そうは言っても、

 ソクラテスが毒杯をあおぎ、

 毒が体の隅々までまわるまで部屋の中を歩き回り、
 
 歩くのがつらくなってきて体を横たえて死にいたるシーンは感動します。 





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007.04.28 03:20:43
コメント(3) | コメントを書く


PR

カレンダー

カテゴリ

日記/記事の投稿

コメント新着

 モンゴル鎌倉サムライ@ Re:佐藤優「自壊する帝国」(08/09) ルパン三世のマモーの正体。それはプロテ…
 toyopika@ Re:足立巻一「虹滅記」(06/18) 足立敬亭先生が逝去したことを知って悲し…
 背番号のないエース0829@ もし高校野球の女子マネージャー 『アルフィー「君が通り過ぎたあとに-Don…

お気に入りブログ

道を楽しめ New! よびりん2004さん

千原ジュニア  故郷… New! くまんパパさん

30秒ルール New! lavien10さん

主力株候補のアイデ… New! みきまるファンドさん

【日本史】三千名以… New! alex99さん

iPadのキーボード、… ハワももさん

詐欺広告関係で再び… 山田真哉さん

ネモフィラが咲いて… 一緒がいいねさん

キーワードサーチ

▼キーワード検索

フリーページ

サイド自由欄

設定されていません。

© Rakuten Group, Inc.