テーマ:ワイン大好き!(30429)
カテゴリ:ワインコラム2(話飲徒然草拾遺集)
#2010年の記事です。ちなみに最近私が贔屓にしているのはソーヴィニヨンブランです。 赤ワインと白ワインでは、圧倒的に赤を飲む機会の多いのですが、さすがにこの季節になると白ワインが恋しくなります。 私の場合、赤については、嗜好が大きくピノノワールに偏るのに対して、白ワインについては、あまり一貫性がありません。その都度、なんとなく「マイブーム」のようなものがあって、アルザスに走ることもあれば、マコンあたりのシャルドネを好んで飲んでいた時期もありました。ロワールのソーヴィニヨンブランやドイツ、はたまた日本の甲州などもよく飲みました。今年の夏は、意識してアリゴテをいろいろ飲んでみようと思っています。 アリゴテはブルゴーニュ地方原産の白ワイン用品種で、東欧でも広く栽培されています。食前酒として有名な「キール」は、 クレーム・ ド・カシスをアリゴテで割って作られるものですし、ソムリエ・ワインアドバイザー・ワインエキスパート呼称資格認定試験の受験者は、テイスティングの際に間違いやすい品種として、愛好家のワイン会などではブラインドテイスティングの「引っかけ問題」としてよく出くわす品種でもあります。 そういえば、少し前のワイン会でも、開始早々、麦藁色がかった豊かな芳香のグラスが出されて、「97ニーヨン」と答えたら、なんと正解は97年のドーヴネのアリゴテだった、なんていうことがありました。 もっとも、ドーヴネのような事例は値段も含めて例外とみるべきで、ブルゴーニュにおいて、一般的にアリゴテは、シャルドネの劣性品種とみなされています。 私自身もあまり品質のよくないアリゴテを数多く飲んできたせいか、果実味の薄いシャバシャバしたボディや、刺すような強い酸味、はたまた扱いの悪さにもよるのか、独特のヒネ香や苦みなどが感じられることがあって、お世辞にも好みの品種とはいえませんでした。 しかし、周囲のワイン仲間の中には、アリゴテを好んで飲んでいる方が少なくありません。それも経験豊富な猛者の方にアリゴテ愛好家が多い気がします。では、アリゴテの魅力とはどんなところでしょうか。ツイッターで質問してみたところ、いくつか面白い回答をいただきました。 *爽やかで夏向き。 この品種の特徴である青リンゴやレモン、柑橘系の果実味やシャープな酸はこれからの季節にふさわしいものでしょう。 *ブルゴーニュの著名な作り手が作っている。 ルロワ、ドーヴネ、ルジェ、APヴィレーヌ、ジャイエ・ジル、レシュノー、ミクルスキなどなど、挙げればキリがないほど、多くのの著名な作り手がリリースしていることも愛好家には興味が尽きないところです。 *生産地域、土壌、生産者によって個性が異なる。 *基本的な品種として個性や作りに大きなブレがない。 一見、矛盾する意見のようですが、たしかにアリゴテの場合は、生産者の技量や嗜好が大きく物をいうシャルドネに比べて、シャープな酸や爽やかな果実味といった品種の個性を生かすベクトルに大きなブレがない気がします。その範疇で、それぞれの作り手や地域の個性が表現されるということなのでしょう。 *料理との相性の無難さ。 キレのよいスッキリした味わいは、晩酌に幅広く合わせられそうです。たとえば、サラダのドレッシングのような酸味の利いたものにもあわせやすいでしょう。 *価格が安い。 デイリー用途にはなんといってもこれが重要ですね。一般に同じ生産者でみると、ブルゴーニュ・ブランよりさらに安い価格設定になっていることが多いようですが、それでいて、シャルドネのヒエラルキーでは語れない面白さがあります。 ただし、値段が安いということは、流通時に粗雑に扱われるリスクと表裏の関係にあることは肝に銘じておいたほうがよいでしょう。 ![]() そんなこんなで、すでに6銘柄ほど飲んでみましたが、今までのところでは、エマニュエル・ルジェの07年のアリゴテがフィネスさん扱いのコンディションのよさとあいまって、最も印象的な一本でした。この先さらに印象的な銘柄と出会えるかどうか、秋口になったら、当コラムで改めて取り上げてみたいと思います。 ★楽天でアリゴテを検索する★ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015年06月28日 08時46分24秒
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