書評:『好きなことに、バカになる』 細野秀雄著
2010年3月25日(木)書評:『好きなことに、バカになる』 細野秀雄著好きなことに、バカになるサンマーク出版様より献本御礼!!ども。Kentです。典型的な文系男子であった私。とにかく高校時代は理科、数学が苦手で苦手で何度追試を受けたことか(苦笑)まあそれは置いといて、TVを見ない私にはこの細野先生のことは知りませんでした。しかしながらその経歴を拝見するにつけ、物凄いお方。これは期待しない方がおかしいですね。読書の目的:新発見のタメの考え方をみにつける読書の目標:自分の弱い理系的な考え方をみにつける目標T\:設定せず※T\とはTIME×YENの略であり1T\は1時間である。目次:序章 プロローグ1章 好きなことに本気になれ!2章 発見はあるチーム、ある人物に集中する3 章 「諦めない」をつらぬくこと4章 回り道こそ、力になる感想:正直理系音痴な私に読みこなせるかと思っていましたが、全くの杞憂でした。何故なら、プロフェッショナルとして生きている人の仕事に対する取り組み方というのはどんな分野でも共通して素晴らしいく、それは往々にしてシンプルであるからです。そして本書で語られている内容もシンプルでありながらずばり本質をついていると思います。細野先生の取り組まれていたのは所謂「材料科学」とよばれる学問で、これはロケットが宇宙に飛んだことを一例として、その影の立役者とも言える存在だということです。何故ならロケットが宇宙に行くには宇宙空間でのなんやかんやに耐えうる材料でロケットが作られていることが前提としてあるからです。実は不勉強な私はそうしたことを全く考えたことが無かったのでこうしたものの見方を知ることが出来ただけでも本書を読んだ甲斐がありました。何か新しい製品が産まれる時には新しい材料があり、それが量産に足るだけの量を確保できて初めて可能なわけですからこの「材料科学」という分野は凄く重要なものであるのは間違いありません。細野先生はそんな中で革命的ともいえるような発見をされた方であり、その発見に至るストーリーは実にわくわくさせられるものでした。その辺は是非とも読んでもらいたいと思いますが、私が一番共感したのは環境問題に対する以下の先生のひとこと。《環境のためにクーラーを止めよう。そういう考え方よりは、 環境維持のためにもっとエネルギー効率のいいクーラーを 開発しよう--私はそっちのほうがはるかに現実的であるし、 それが科学の真の役割だとも思っています》天晴れ!!よくぞ言ってくれましたという感じですね。科学というものを言い表した言葉としてこの言葉に勝るものはないという決定打のような言葉ですね。こうした一例のようにプロとして生きたいと思っている人には必ずや何らかの気付きを与えてくれる一冊だと思います。いやー面白かったです。気になったポイント:★仕事においては、自分は革新型か改良型かといった、個人の 能力や適正の見極めがとても大切になってきます。★つまり世の中、便利になりすぎたのではなく、いまだ便利が 不足しているのです。科学の進歩が不完全で中途半端なのです。著者紹介:細野 秀雄東京工業大学フロンティア研究機構&応用セラミックス研究所教授。1982年東京都立大学大学院工学研究科博士課程修了(工学博士)。名古屋工業大学工学部助手、助教授、東京工業大学助教授、分子科学研究所助教授を経て、99年東京工業大学応用セラミックス研究所教授。2004年10月より現職。専門は無機材料科学。これまでに紫綬褒章、藤原賞をはじめ、文部科学大臣表彰、服部報公賞、井上学術賞、本多フロンティア賞など数多くの賞を受賞している (本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) まとめると:<世界的発見の生まれる理由>※この記事はアメブロでもアップしています。