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テーマ:たわごと(26759)
カテゴリ:ただの物語
昨日突然出てきたお話です。
この後に別の話も出てきて~、ワンセットって感じですね。 幸せな記憶と辛い記憶。 今回は幸せな方。 念のための注意書き。 これはただの物語です。 さらっと流してくださいね。 ****** 「んふふふふ~~」 楽しそうに彼女は笑った。 俺は思わず静か~~に睨みつける。 でもそれくらいで動じるような彼女じゃない。 幼馴染っていうのはいいもんだけど、やりにくいもんだ。 膝の上の手の中には1歳くらいの子供。 遊び疲れてようやく眠ったところだった。 「そーゆーのも似合うわよ、エル・フィン。そもそも子供を教えているんだから扱いなんてお手の物でしょ?」 にこにことほほ笑みながらのぞきこんでくる。 思わず軽くため息をついた。 「俺が教えている子どもたちはもっと大きくなってからだ。こんなにちっこいのはいないぞ」 そう反論すると彼女は 「ふーん、そうなんだ」 と答えた。 「いや~~、面白いものが見れたなぁ。エル・フィンがこんなに困っているのなんて、学生時代ぶりじゃないのか」 子供の父親でもあり級友だった奴が向かいから楽しそうに笑っていた。 俺は静かにむっとする。 「お前の子供が人懐っこすぎるんだ。だいたい俺は小さい子供に好かれるタイプじゃない」 そう言い切る。 この手の中に居る子供は何を感じたのか、今日会ったばかりの俺を歩き始めたばかりのつたない足取りでやたら俺について回った。 さらに足にしがみついて離れないとか、ぴったりくっついてにこにこ笑っているし、引き離しても引き離しても俺について回ってきたので、仕方なく遊び相手になっていた。 「ん~~~、そいつはそんなに人懐っこくもないぞ。上の二人の方が人懐っこい方だ。昔はともかく今のお前は表情が硬すぎるから、逃げられたけどな」 今の仕事に就いてから表情があまり出なくなったことを指摘された。 でもそれは仕方がない。そうでないとやっていけない仕事だ。 今ではせいぜい愛想笑いぐらいしかしていない自覚はある。 だから物心ついた上の二人は怖がって、母親の陰に隠れて出てこない。 「そいつは人によっては愛想がいいけど、自分が気に入らなければピーピー泣いて触られるのも嫌がるんだ。どういう基準かよくわからなくて親として困るよ」 友人の嘆きにちょっと意外な気がして手の中の子供を見下ろした。 安心しきってすぴすぴ寝ている子どもの通常より高い体温に不思議な感じがする。 「とはいえ、いつまでもそうならエル・フィンさん困るわよね。こっちにもらうわ」 友人の奥さんが子供を引き取りに来てくれた。 渡そうとしたらしっかりと服を握られていて、放すのに手間取ってしまった。 でもなぜか放したら子供の体温が消えたのが妙にさびしく感じてしまい、それに戸惑った。 「さて、レオンのちびは寝たけど、俺たちは晩餐とするか」 友人の声で俺たちは食堂へ移動した。 ****** 昨日突然出てきたんですね~。 こういうかわいい話。 まあ、本当かどうかわかりませんが、こんなようなことはあったように感じます。 さてここに出てきた級友(男)はいったい誰でしょうねぇ。 というわけでもう一つの話も続けちゃいます。 きついけど。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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