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テーマ:たわごと(26728)
カテゴリ:ただの物語
本日2個目の記事です。
明日は別のものを書きたいので、強行突破。 これはただの物語です。 さらっと流してくださいね。 ****** 思わず俺はそいつの襟首を掴んで壁に叩きつけた。 「何時までもだらだら泣き言なんて言っているんじゃねぇ!結局お前の力不足なのを責任転嫁しているだけじゃねぇか!」 そう怒鳴ると戦友は泣きながら訴えた。 「エル・フィンは強いからそう言えるんだよ。助けたかったのにあの子供たちは何の罪もないのに」 「だったら手前の限界ぎりぎりまで頑張ればよかっただろ!命令違反でも何だとしても!!」 「出来たら俺もそうしていたさ。でも出来なかった、出来ない状況だったんだよ!!現場を見ていないくせに勝手なことを言うな!」 「……っ」 「お前は平気なのか?全然関係なかったんだぞ、それなのに……」 俺は思わず手を放した。 立っていられなくてそいつは壁沿いにずるずると座り込んでしまった。 その時の惨状は報告を受けていた。 しかしそれはあくまで報告だけで、現場にいたわけではない俺には計り知れないものがあったのかもしれない。 見ていられなくて踵を返す。 怒りのまま黙々と歩き続けた。 「くそっ!!」 どれくらい歩いたかわからないが、人気のないところでそう言ってこぶしで壁を叩いた。 平気? 平気な訳、あるはずがない!! あそこには俺が教えた子供たちがいたんだぞ。 将来有望な子や、たくさんの希望を持っていた、将来を担う子供たちが。 出来れば俺が現場にいたかった。 そうすれば被害がもっと少なくて済んだかもしれない。 もっと的確な指示が出せればもう少し……!! でもそれができる状況じゃなかったんだ!こっちも! 悔しさと怒りで目眩がした。 でも同時に冷静な自分が、たとえ自分がいても状況は変わらなかったはずだと答えをはじき出す。 わかっていた。 こうなってしまうことが。 他に選択肢がないことが。 こういう流れになってしまった以上、こういう惨事が起こることも、止めることもできなかったことは十分にわかっていた。 そしてそんな冷静な分析をする自分にも嫌気がさした。 「エル・フィン殿!」 「どうかしたのか?」 後ろから声をかけられて、顔だけ振り返りそのまま冷静な声で聞いた。 こんな時は感情が出にくいことがありがたい。 「上官がお呼びです。****まで至急お越しください」 「わかったすぐ行く」 大きく深呼吸すると、それまでの感情を切り捨てて歩き出す。 そう、まだ感情におぼれている暇などないのだから。 次の手を打たなくては、死ぬのは自分たちだった。 でも思う。 願わくば、 彼らの安らか眠りを……。 ****** キツイです。 セットで出来なかったら死んでます。 体調悪いのに。 後味悪くてすみません。 お口直しに前の記事をご覧ください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.05.21 20:26:48
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