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テーマ:大河ドラマ『風林火山』(345)
カテゴリ:ドラマ
NHK大河ドラマ独断ランキング
1972年の「新・平家物語」以来、毎年(ちょっと中断年度もありましたが)大河を見ています。 ここ数年あまり面白みがなくなってきているように感じていますが、今年の山本勘助視点の展開はなかなかよいです。 ただ、戦国・幕末・明治維新ものは何回もあって新鮮味がなくなりました。 そろそろ天皇家の歴史の微妙なところに挑戦してもらいたいです。 過去にちょっとだけあった足利尊氏兄弟と後醍醐天皇、大化改新(単発)・聖徳太子(単発)などは非常に面白かったので、 ・足利義満・義持親子と世阿弥と公家・天皇家の関係 ・奈良の聖武天皇から、弓削の道鏡・和気の清麻呂に至るあたり ・長屋王と藤原4兄弟の対立と聖武天皇 ・天智・天武・持統と壬申の乱(朝鮮半島の情勢ともからみ微妙であることは確か) ・菅原道真と藤原氏(時平など)と宇多・醍醐天皇 などを是非とりあげていただきたいと希望しています。 ということで、私の独断による大河ドラマランキングを書きます。 1)「風と雲と虹と」1976年 平将門(加藤剛) 将門と貞盛(山口崇)の従兄弟同士のライバル関係、出世競争、吉永小百合を巡る恋 将門の挫折と略奪婚などに当時衝撃を受けた覚えがあります。 2)「炎立つ」1993年 藤原経清/藤原泰衡(渡辺謙2役) 奥州藤原氏の基を築いた藤原清衡(村上弘明)の父・経清と、4代目として 藤原氏を滅亡させてしまった泰衡の2役を渡辺謙さんが演じました。 奥州を舞台とし平安末期に起きた前九年・後三年の役を中心に描いた、時代・人物とも 新鮮なものでした。 奥州への勢力拡大ををねらっていた源氏(源頼義(佐藤慶)・義家(佐藤浩市))は、 前九年・後三年の役をしかけ、安部氏(頼良:里見浩太朗)や、清原氏を滅亡させた が、意に反して奥州への進出はならず、父・経清の挫折をバネにしたたかに勢力拡大 を図った清衡が、奥州の覇者となった。これは面白かった。 3)「太平記」1991年 足利尊氏(真田広之) 真田さんの尊氏もよかったが、片岡鶴太郎さんのバカ殿様役・北条高時がなぜか印象に残っています。ほんとうの高時は賢君だったようですが、滅亡したほうはこうもおとしめられるとは悲劇ですね。尊氏の父・足利貞氏(緒方拳)、妻・登子(沢口靖子)もよかったです。それから、弟役の高島政伸や、宮沢りえと後藤久美子、武田鉄矢なども出演していました。はやり時代・人物とも新鮮でよかったと思います。 4)「翔ぶが如く」1990年 西郷隆盛(西田敏行)/大久保利道(加賀丈史) 司馬遼太郎の 「西郷と大久保」がベースになっていて、この二人は中国の史記の中での項羽と劉邦に、司馬遼太郎さん自身もたとえられていますが、情の西郷、理の大久保の対比を、幕末から維新にかけての壮大なスケールの中で描いた傑作です。 二人のうちどちらがかけても明治維新の改革は成り立たなかったことがよくわかると思います。身震いするような男としての大望、そして私利を捨て、自らの命を賭した滅私奉公ということが描かれ、現代の政治家との圧倒的なスケールの差を見せ付けられました。 5)「徳川慶喜」1998年 徳川慶喜(本木雅弘) 徳川氏の視点から幕末を見たもので、腐りきった官僚組織(譜代家臣団)が機能しない中で、傍系からトップにたった首領が、どう組織を立て直すか、ということがテーマで、日本の現状を鋭く風刺したものでもありました。本木さんは非常に好演していたと思います。 6)「八代将軍吉宗」 1995年 徳川吉宗(西田敏行) 前半はできあがった組織の中で地方からのし上がってトップに立つ醍醐味。後半は、そういう中では周囲の既成勢力の反発が必至だが、それを巧みにかわし、改革を断行した吉宗と、それをささえた人々をよく描いていました。 バブル崩壊後の質素倹約、反して尾張の風雲児・宗春(中井貴一)のハデな政治の対立など、時代を風刺したものでもありました。 7)「勝海舟」 1974年 勝海舟(松方弘樹/渡哲也) やはり時代を動かした立役者である勝海舟の人物の大きさに感銘を受けた覚えがあります。維新前後に活躍した人々が目白押しに登場し、学生であった私には勉強になりました。 8)「草燃える」 1979年 源頼朝(石坂浩二)/北条政子(岩下志麻) 政子と、その父、北条時政(金田龍之介)、弟 義時(松平健)らが出演。 特に、義時が、権力欲もなく精錬に生きようとしていた若いころ、 兄の戦死により急に北条家を支える立場に立ち、除々にしたたかに、 謀をめぐらし、北条家の勢力を拡大していく様が印象に残っています。 9)「毛利元就」 1997年 毛利元就(中村橋之助) 橋之助さんも印象的でしたが、偉大な父の元で苦悩する息子、隆元を上川隆也さんが好演していました。八方ふさがりの弱小者でも日頃から力を養い、状勢がかわり機会が来た時、それをフル回転すれば、事態は変るということを、この毛利元就は示してくれました。 10)「北条時宗」2001年 北条時宗(和泉元彌) 武家政治の3時代のうち、賢君ぞろいと言われている鎌倉・北条執権政治 の間只中を取り扱った唯一の作品であり、執権政治の実態を見せてくれ、 新鮮味がありました。 北条氏は一族の仲は良かったと認識していましたが、同族・多族入り混じったの 中での陰謀や権力争いが激しく描かれていました。 時宗の父親・五代執権、北条時頼(渡辺謙)のすごみ、北条氏の盟友、安達泰盛(柳葉敏郎)、得宗家家人の平頼綱(北村一輝)、時宗と対立する異母兄弟の時輔(渡部篤郎)ななどが好演していました。中でも 北村一輝さんの異様さは印象的です。 ベスト10入りを見ると 放送年代 1970年代 3作 1980年代 0 1990年代 6作 2000年代 1作 時代 平安 2作 鎌倉 2作 室町 1作 室町末期/戦国 1作 江戸 1作 幕末/明治維新 3作 1980年代は、なぜか0 独眼竜政宗や家康、信玄などいい作品もあったのですが。 戦国もの(信長・秀吉・家康)はベスト10入りせず。室町末期/戦国では毛利元就が唯一入っただけです。はっきり言って戦国ものは飽きました。 ベスト1はなんといっても 加藤剛さんの平将門ですね。 それから、4位の「翔ぶが如く」は幕末もので新鮮味はないのですが、西郷と大久保の人物のスケールの大きさでは非常に感銘を受けました。こういう人物が現代の日本に出現してほしいものです。西郷を演じた西田敏行さんさすがの貫禄です。吉宗も西田さんでしたよね。 本木さんの慶喜も非常に印象に残っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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