芝増上寺と徳川家霊廟
芝の増上寺は、江戸時代に徳川家の菩提寺として隆盛を極めましたが、今は関東における浄土宗の大本山の地位をしめる大きな寺院です。浜松町駅から増上寺に向かうと、芝大門があります。ここは昔は増上寺の表門でしたから、隆盛時にはこの大門から東京タワーに至るまでの広大な土地が寺の境内だったと言うことです。と言うことは、現在の芝公園も全て増上寺の境内であり、また東京タワーも増上寺の墓地を割愛して建設したものだそうです。また、長い歴史のある寺ですから、境内には貴重な文化的建造物も沢山あったのですが、明治時代の二度の大火と太平洋戦争の空襲で殆ど消失しました。現在残っているのは、三解脱門と黒門など、ほんの一部です。(写真1、2)写真1 三解脱門写真2 黒門三解脱門を入って正面に見えるのは、開山堂慈雲閣と言い、平成元年に建立された新しいものです。(写真3)写真3 開山堂慈雲閣 この開山堂慈雲閣の右手の奧に徳川家霊廟があります。ここには徳川家の代々の将軍の墓があり、墓石ですから消失を免れて往時の姿を留めています。2代将軍秀忠の正室お江のお墓、14代将軍家茂の正室和宮のお墓など、大河ドラマでお馴染みの方々の眠る霊廟ですので参拝者は多いです。(写真4、5)写真4 徳川家霊廟の門写真5 徳川家霊廟内消失縮小したとは言え、東京タワーの展望台から増上寺を眺めると、16,000坪の境内は広大であり、そこには慈雲閣、本堂、安国殿、圓光大師堂、光摂殿、鐘楼、経蔵、等の数々のお堂が建っていて、さすがに浄土宗の大本山であることを示しています。(写真6)(以上) 写真6 東京タワーから見た増上寺全貌