新宿通り コンパクトで居心地の良い街並み (東京の街並み観察 21)
JR新宿駅東口の地下道から地上に出ると、目の前に大きな電光掲示板を掲げた新宿アルタビルが正面に見えます。その手前に小さな広場があり、人々が立ち止まってその電光掲示板を眺めています。広場の角に旧青梅街道の標識が建っていますから、ここから新宿二丁目交差点までは江戸時代には青梅街道だったのです。(写真1、2)新宿駅東口から新宿二丁目交差点までの間の新宿通りには、高級ブティック店、装飾品店、飲食店など数多くの店舗が並んでいて、人通りの多い街並みです。新宿通りは銀座中央通りより短くて、建ち並ぶ店舗も少なく、店舗の飾り付けなどファサードも銀座より平凡です。新宿通りには銀座通り程の華やかさはありませんが、歩道を歩く人々の数は多いようです。(写真3、4)新宿通りは銀座中央通りより歩道が狭く、そして車道の幅も狭く、その上、道路の両側には中層階の高いビルが建ち並んでいるので、新宿通りの上空は狭く見えます。人通りの多さを感じさせるのは、新宿通りがこのようにコンパクトだからでしょうが、そのことは道行く人々に居心地の良さを与えています。土曜日、日曜日には新宿通りも歩行者天国となりますが、車道を歩いていても、広い歩道を歩いているような気分です。新宿通りは、超高層ビル群が林立する立体的な新宿西口の街並みとも違いますし、また最近再開発された高級感のある新宿南口の街並みとも違います。その違いは、新宿通りには気取らないで普段着で気楽に歩ける居心地の良さがあることです。(写真5、6)昭和初期の早いころから賑やかな街並みだった新宿通りには、有名な老舗が数多くあります。めぼしい有名店を挙げますと、新宿駅東口に近いところにフルーツ高野、インドカレーの中村屋、新宿通り中程には紀伊國屋書店、新宿三丁目交差点の先には額縁屋の世界堂、追分だんご本舗などがあります。(写真7)新宿三丁目交差点は、東京メトロ副都心線の渋谷・池袋間が開通したことによって新宿の賑わいの目玉になりつつありますが、交差点の四隅の建造物を見ると、重厚なファサードを持つ三越伊勢丹のビルを除いては、目玉になるような華やかなビルはありません。新宿三丁目の交差点の隅に建つビルには、ルイヴィトンの入居するビルと、バーバリーとラオックスの同居するJTBビルとがありますが、いずれも立地点の良さに目を付けて最近出店してきた店舗であり、ビルそのものは以前からあった平凡な造りのファサードです。(写真8、9)中でも交差点に建つビルのうち最も良くないのは銀行のビルです。午後三時に閉店する銀行ビルは、ショッピングで街歩きをする人の流れを切断するからです。(写真10)(以上)写真1 新宿アルタビル写真2 旧青梅街道標識写真3 新宿通りの人混み写真4 夜も人々で賑わう新宿通り写真5 高級ブティック店の前を普段着で歩く人々写真6 追分だんご本舗写真7 昭和初期に創設の紀伊國屋書店写真8 ルイヴィトンの入居するビル写真9 バーバリーとラオックスの同居するJTBビル写真10 銀行のビル人気ブログランキングに参加しています。応援をよろしくお願い致します。人気ブログランキングへ