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カテゴリ:韓国映画
日本の場合だけれど
絞首台のボタンはダミーと合わせて3つ設置されており 3人の刑務官がそれぞれを同時に押すことになっているとか。 実際に作動させたのは誰なのか分からない様にして 精神的負担を軽くしようとの配慮らしい。 随分前にこの話を聞いた時は、ちょっとした衝撃だった。 死刑を執行する側の気持ちを考えたことがなかったから。 相手がどんな凶悪犯であっても 法を執行するだけだと割り切ろうとしても これもまた「殺人」であることには変わりはない。 物凄い矛盾。 韓国では1997年12月30日に23人が死刑に処されたのを最後に 現在まで死刑執行命令は下されていないそうだ。 2009年に作られた、この映画は 12年ぶりに死刑が復活したら… という物語。 ちなみに 韓国もまた絞首刑で>軍刑法では銃殺刑あり 映像の様子では日本と同じ形式>ダミーを交えた複数のボタン ☆★☆ネタバレあり☆★☆ その理由は 連続殺人事件の犯人が遂に捕まったものの 罪の意識は全く伺えず、遺族に対しふてぶてしい態度を取り続けるので 「死刑にすべき!」という世論が高まったため。 群衆の中の一人としては、痛ましい事件が起こるたび 死刑は必要だと強く思ってしまうのは事実なんだけどね… 死刑というと何となく思い浮かぶ素朴な疑問。 前日に自殺を図ったら―? 殺すために命を助ける―? 本番になって、どのボタンを押しても作動しなかったら―? 実行されたのに、死ななかったら―? そういう場合が全て出てくるのが面白い。 ただ、それらは全て件の凶悪犯の上に成就するから まだモンスターを見ている様な目で見ていられるのだけれど S・キングが書いていた 長年刑務所にいる間に罪を悔い改め本来の人間性を取り戻し いざ刑が実行される時には“善人”に戻っている場合がある― という様なことを。 まさに、その通りの囚人も登場する。 刑務官の一人@キム刑務官との間に友情が芽生えてさえいる。 まあ、ここは映画ならではのデフォルメだろうけど でも、映画だからこそ、ここに泣けた。 その囚人が前夜遅くまで一生懸命作っていたクリスマス・プレゼントは 多分、キム刑務官に向けたものだったろうから 彼が手に取るところを見たいと思ってたんだけど、そこは全くスルーだった。 でも、そこまで描いちゃうと過剰になっちゃうからかもね。 で、その囚人が20年前に犯した事件―強盗殺人―の被害者は キム刑務官と同じ姓なんだけど ここの関連性がボンクラひじゅににはよく分からなかった(^^;) その刑務官は一人暮らしの様だったし まさにその因果関係にあるのか? 単に同姓というだけか>よくある姓ではあるし 同姓というところに意味を持たせているのか>悔い改めの象徴? アホ過ぎて理解できなかったんだけど>スミマセンスミマセン でも、このエピは良かったと思う。 オッサン同士ってとこが、また味があるしさ。 とはいえ物語は 新人であるオ刑務官の視点で描かれる。 『プンサンケ』では野性的かつクールな男だったユ・ゲサンが ここでは未熟で軽い若造を自然に演じている。 「命」「殺すこと」という点で 彼の恋人のお腹の子が重ねられるところが興味深い。 彼の先輩であるぺ刑務官も良い味を出している。 ひじゅにがキム・ギドク監督に惚れるきっかけとなった 『悪い男』に主演していたチョ・ジェヒョンなんだけど こちらでは人間的弱さも醸し出していて、また違った魅力。 彼は同期だった刑務官の死という悲しい過去を背負っている。 この3人の年齢もタイプも経験も違う刑務官が 執行者としての苦悩を象徴している。 聞くところによると、韓国本国では 公開初週にかなり良い成績を収めたのにも関わらず (ボックスオフィス全体の中で2位、封切り作の中で1位) 7日目に交差上映が決定されてしまったそうだ。 ボンクラひじゅには交差上映って知らなかったんだけど 複数の作品を交互に上映することらしい つまりそれだけ観る機会が失われてしまうことになる。 ヒットしないと決めつけられてしまった様なもの。 いやあ、なかなか良い作品だと思いますよ。 『執行者』 2009年/韓国 監督:チェ・ジノ 脚本:キム・ヨンオク 出演: チョ・ジェヒョン(ぺ矯査)、ユン・ゲサン(オ矯導)、パク・イナン(キム矯尉) チャ・スヨン(ウンジュ)、キム・ジェゴン(ソンファン)、チョ・ソンハ(チャン・ヨンドゥ) ☆トラックバックは何がなんだか…ひじゅに館へお願いします☆ http://yakkunchi.blog90.fc2.com/tb.php/1436-54600c56 ☆応援クリック、よろしくお願い致します☆ にほんブログ村 人気ブログランキングへ blogramランキング参加中! DVD カムジャタン プンサンケ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2014.04.20 14:51:02
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