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野球場日記

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2006年08月06日
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テーマ:高校野球(3597)
カテゴリ:高校野球
 快晴。強くなっていく浜風。ネット裏の方から時折蝉の声がする。

 遠くから練習を見ても、中田はどこにいるかパッとわかるな。体が大きいし雰囲気がある。
 横浜ナインが円陣を組む。立ち上がって輪をせばめ、大声を出しながら手を挙げる。

 グラウンド整備で撒かれる水が虹を描いて、いざプレイボール。大会屈指の好カードだ。

 横浜 100 010 013  6
 大桐 000 200 45X 11

 横浜は川角(背番号1)、大阪桐蔭は石田(背番号11)が先発。
 1回表。3番高浜右中間先制タイムリー二塁打。
 4回裏。8番丸山ライトオーバー逆転2点タイムリー二塁打。
 5回表。2番松本ライト前同点タイムリー。
 7回裏。2番小杉レフト線勝ち越しタイムリー二塁打。5番堀右中間2点タイムリー二塁打。6番途中出場若松ライト前ヒット、ホーム悪送球の間に1点。
 8回表。代打土屋押し出し四球。
 8回裏。2番小杉ピッチャー前スクイズ内野安打。3番謝敷センター3ランホームラン。4番中田センター左2者連続ホームラン。
 9回表。5番佐藤ライト左タイムリー。6番越前レフト2ランホームラン。

 横浜があっさり先制したときには、このまま差が開く一方なのかと不安がよぎった。なにしろ、センバツの決勝で21-0で勝つのを見たからなあ。

 しかし、大阪桐蔭は4回に逆転。一気に沸く甲子園。
 ところが、横浜もすぐに追い付く。5回表、同点にしてなお1死満塁、前進守備。打席には4番福田。ここがいちばんのポイントやったと思う。「やっぱり横浜はすごい、おそろしい」という雰囲気になってきてたから。
 福田の当たりは三遊間へ。やや高いバウンドのゴロだ。ショートが逆シングルで捕って、6-4-3と転送。福田は1塁へヘッドスライディング。際どいタイミングだったが、1塁もアウト。ダブルプレー、チェンジ。
 福田はグラウンドに砂を叩き付けた。クレバーで冷静な選手というイメージを持ってたから、驚いた。よほど悔しかったのだろう。

 横浜は6回にも再び1死満塁のチャンスを得る。バッターは9番、ピッチャーの川角。この場面でスクイズを敢行。しかし、ファーストへの強いフライとなった。走者は全員飛び出している。(念のためにサードへ投げろ)と思っていた僕は、ファーストがセカンドに送球するのを見て、「ああー」と声をあげてしまった。
 「ドカベン」で不知火の白新高校が失った「ルールの盲点の1点」が入るのをおそれたのだ。このケースで3塁走者がもしホームベースを踏んでいたら、サードで封殺しないかぎり得点が認められる。大阪桐蔭ナインはベンチに向かってラインを越え、第三アウトを変更するアピールの権利も失った。
 けれど、スコアボードには0がともる。3塁走者はホームを踏んでいなかったようだ。センバツで抜群の挟殺プレーを決めた横浜なら、この1点を狙うかもと思って、1人で興奮してしまった。

 7回裏、大阪桐蔭は1・2番の連続二塁打で1点勝ち越し。
 2死2塁から4番中田は敬遠されたが、続く堀が2点二塁打。さらに連打が飛び出して、中田だけではない大阪桐蔭の打撃のすごさを大観衆に見せ付けた。

 4点リードと大阪桐蔭が完全に主導権を握ったが、すんなりとはいかない。
 照明に灯が入った8回。この回から登板した投手が2死後に突如乱れて、4連続四死球。1点を返される。

 まだわからない8回裏。大阪桐蔭はスクイズで1点追加。
 謝敷がバックスクリーンに突き刺す3ラン。
 中田は続く初球を豪快に捉える。ものすごい迫力で打球が飛んで行く。あまりの速さに打球を見失った。とてつもない打球がスタンドに向かっているという感覚はわかるのに、ボールが見えない。外野手の動きを見るが、誰もボールを追っていない。それほどまでに飛んでいるのだ。左中間か?しかし、打球も、観客がそれを避ける様子も見えない。どこへ飛んだのか確認できないうちに、中田はベースを回り始めた。何とも言えないどよめきが甲子園を包む。高校野球でこんなものすごいホームランを見たことがない。いや、よく見えなかったのだから、体感したことがないというべきか。

 9回。スコアボードの左上に、満月に近い大きく白い月が見える。
 横浜もさすがだった。2死から、タイムリーとホームランで3点返す。簡単には終わらなかった。

 試合終了後の挨拶。横浜ナインの足取りは重い。中田の背中を叩いて激励する選手がいる。
 春優勝の横浜。3塁アルプスの応援団前で、グラウンドに両手を突き、へたり込んで立てない選手が多かった。終盤に点差はついたけど、ほんまにいい試合やったで。

 席を立って駅へ向かう道。みんながあの中田のホームランについてしゃべっているようだ。後々まで語り草になるであろう伝説のホームランを生で見られて、しあわせや。

 福田(横浜3年主将 4番キャッチャー 右打者)
 1回2死。変化球を打って、緩いセカンドゴロ。
 4回先頭。変化球を打って、ライトフライ。
 5回1死満塁。ショート左へのやや高いバウンドのゴロで、6-4-3のダブルプレー。ヘッドスライディング及ばず。グラウンドに砂を叩き付けて悔しさをあらわにする。
 8回先頭。高め直球を打って、レフト少し後ろへのフライ。
 9回1死2塁。変化球を打って、ショート左への緩いゴロ。
 5打数ノーヒット。

 佐藤(横浜3年 5番ライト 左打者)
 2回先頭。右中間ライト寄りを破る、痛烈な二塁打。キャッチャーからの牽制で刺される。
 4回1死。ピッチャーの足下を抜くセカンド左へのゴロ。セカンドがジャンピングスローを見せるが、セーフ。内野安打。
 6回先頭。フライがレフト線に入る二塁打。
 8回1死。カーブを打って、セカンドゴロ。
 9回2死3塁。セカンド左をゴロで破るライト左タイムリーヒット。
 5打数4安打2二塁打。


  (つづく)





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Last updated  2006年09月16日 01時05分54秒
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