町のホルモン屋さん　山田ホルモンの若旦那

年末からずっと忙しかったのだが、このごろやっと一段落し、事務所で溜まったデスクワークを片付ける事にした。家族経営の小さなお店なので、受注から商品作り、梱包まで全て自前で賄っている。ホームページの編集もかれこれ3週間ほどやってないのではなかろうか…　女将から頼まれた収支計算書の表作りがやっと出来上がった時に、若女将が入ってきた。

「なんか、すごいお客さんが来とったよ！」私は普段だと山田ホルモンセンターの店頭に出ているのだが、今日はデスクワークの日だと勝手に決め込んでお店の方には出ていなかった。

「福岡からわざわざいらっしゃったんですって！」私のお店は一応福岡県にあるのだが、私達が言う『福岡』とは福岡市、主に博多の事を言う。ここからは約40km程で車だと1時間はかかる。

「ホームページを見て注文しようと思ったみたいだけど、今日中に食べたいからって、車で見えたみたい。」そうか注文すると、県内のお客様でも最低一日かかるから、今日中に食べたいとなると、車で来る方が早いか。

以前大分からドライブがてらいらっしゃったお客様もいたし、たまたま通り道だったので、と熊本からの帰りに寄ってくださったお客様もいた。ちょっと前だと考えられないことである。

人口約1万2千人の、1世帯平均約2.5人の過疎化が進んだこの町では商売をしようにも人を見掛けるのも一苦労である。こんな町でもネット通販であればどうにかこうにかやっていけるのではないだろうか、と考えたのがちょうど2年前、今年でミートミーツも3年目を迎える事が出来たのは多くのお客様に支えられたからこそである。現在では山田の人口を裕に超えるお客様のアドレスを保有し、販売促進に励んでいる。

田舎だと商売が出来ないと、都会を目指す若者もいるが、田舎だからこそできる商売もあるはずだ。この2年で手応えを感じつつ、さらにこれからも田舎で頑張って行きたいと思っている。