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ポンコツ山のタヌキの便り

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2018年09月28日
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人の親はだれでも子どもの可能性を伸ばしたいものです。

雅人くんは、彼の母親に対して、国立大学の附属の幼稚園、小学校、中学、高校に押し込んで彼の子ども時代を非常に限定的なものにしたと些か恨みに思っていました。しかしまた彼の母親が様々な分野の楽しさを提供し、いろいろな可能性を提供してくれたことにも感謝するのでした。

雅人くんは幼いころから本を読むのが大好きでしたが、最初に読んだ本として記憶 されているのはやはり母親から購入してもらった講談社版世界名作全集に入っていたバーネットの『小公子』でした。物語を読む楽しさを知った彼は、近所の商店街にある豊住書店の書棚に並んでいる『宝島』 、『ロビンソン漂流記』、『ガリバ旅行記』等の物語を次々と購入していきました。

また母親から多数の図版入りで出版されていたポプラ社の『日本の歴史』全12巻や『世界の歴史』全10巻も購入してもらいました。歴史上の有名な人物たちの活躍を中心に物語風に描いた子ども向け歴史シリーズで、雅人くんは歴史に対して大いに関心を持つようになりました。

漫画を描くことは、彼自身が自然と好きになったのですが、母親からスケッチ帳とクレパスを与えられ、絵を自由に描くことの楽しさを知りました。京都や大阪で開催されたゴッホ展やフランス美術展等にも連れて行ってくれました。

水槽に水草を浮かべ、金魚やメダカを飼う楽しさも味あわせてくれました。家の庭で畑を耕し、ニンジン、カボチャ、サツマイモ、ナス等の野菜を植えて収穫する経験も与えてくれました。ヒマワリ、ダリア、ヤグルマソウ、キンセンカ等の花ばなを栽培して花開かせました。

しかし母親が提供した可能性のなかには見事に空振りに終わったものもありました。安い給料をはたいてオルガンを購入してくれましたが、雅人くんは鍵盤をブーカ、ブーカと押しましたが、すぐにこの楽器に飽きてしまいました。まさに猫に小判だったのです。雅人くんはなぜか音楽には全く関心を示そうとはしま せんでした。

全く関心を示さなかったものと言えば、母親が彼のために定期購読した誠文堂新光社から出版されている「子供の科学」という小中校生向け科学雑誌もそうでした。この雑誌は自然科学の解説や科学の実験、工作等が載っていましたが、彼はこの雑誌をほとんど読まず「積ん読」状態になってしまいました。

全てが効果を挙げた訳ではありませんが、母親が雅人くんにこのように様々な可能性を提供しようとしてくれたことをいま回想し、母親の彼に対する深い愛情を身にしみて感じるのでした。






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最終更新日  2018年09月30日 17時34分11秒
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