カテゴリ:アニメ・漫画
日曜午後、温暖な瀬戸内地方にも雪が降り積もった
雪が降ると、小学生の頃に「まんが日本昔ばなし」で見た「あとかくしの雪」という話をどういうわけか必ず思い出す。そして、珍しい積雪に浮かれる息子達に私はこの話を毎度無理やり語り聞かせるのであった。 市原悦子さんと常田富士男さんの絶妙な語りで人気だったこの番組、怖い話ばかりがとりわけ印象に残っているのは何故だろう? あとかくしの雪 読むのが面倒な方用 昔、あるところにとても貧しい村がありました。3年ほど前、山が火を噴いてからというもの、作物が取れなくなってしまったのです。 あるとき、この村に疲れきってお腹がペコペコの旅人がやって来ました。畑の大根が美味しそうに見えましたが、人様の作った作物に手を出すほど、この旅人は悪い人ではありませんでした。無駄とは思いつつ、旅人は食べ物を求めて村の家々の戸を叩きました。 「庄屋のわしでも大根の雑炊しか食えんところにモノをもらいに来よって。言うとくがわしの畑から大根を盗んだらタダではおかんぞ!近頃は村のモンもわしの畑からちょくちょく盗むが、みんなひっとらえて代官所送りじゃ。火山灰に残る足跡で分かるんじゃ。分かったな!」 歩き続けた旅人はとうとう村外れで倒れてしまいました。 目を覚ますとあるおばあさんの家でした。差し出された一杯の雑炊を旅人はかきこみましたが、それだけでは足りません。腹が鳴り止まぬ旅人に何か食べさせてやりたい、とおばあさんは思いましたが、この家にはもう何もありません。 「しょうがねえだ」 おばあさんはそう呟き、家を出ました。 しばらくして帰ってきたおばあさんは手に大根を抱えていました。 「たんと食え」 おばあさんが旅人に炊いた大根を差し出すと、旅人はその大根を有難く腹いっぱいいただきました。 翌朝、まだ夜も明けぬうちになぜかおばあさんは、疲れて眠りこけている旅人を起こし、早々に旅立たせるのでした。何の気なしに地面を見た旅人はハッ!としました おばあさんの足跡があの庄屋の畑の方へ続いているではありませんか。←? 「余計なことは気にせんでええから、はよ山を越えるんじゃ」 旅人は夢中で山を越えました その頃、庄屋は畑の見回りに出て、足跡に気付きました。 「どうせ足跡は消えやせんから、ひっとらえるのは日が出るまで待つとするか」 その足跡は確かにおばあさん家に続いていました。夜が明ければ代官所の役人を連れた庄屋がやって来ることでしょう。 「やれ、代官所も起きた頃だろう」 戸を開けた庄屋はびっくりしました。 「ひゃあ、雪じゃあ。雪で足跡が消えちまった」 誰が降らせた雪でしょう。雪にはまだ一月も早いのに、空には星が出ていたはずなのに、真っ白な雪が静かに降り続き、もう足跡も見えませんでした…。 本日のひまつぶし ・食べ物を粗末にするともったいないお化けが出るよ→こちら もったいねェ~ ・嗚呼、この音楽を聴くと子供の頃に帰ります 「まんが日本昔ばなし」OP→こちら ・ちょっと怖い、不思議な話 「夜中のおとむらい」→こちら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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