2350971 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

Pastime Paradise

Pastime Paradise

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2010.11.15
XML
カテゴリ:書籍・雑誌
 ようこそ!オレゴン州 ロックンロール・ヘヴンへ
 太平洋岸北西部でいっちゃんノってる街!
  -青年商工会議所 ライオンズクラブ エルクスクラブ

  山中で道に迷ったクラーク&メアリー夫婦はやっとのことで街を見つけて安堵した。だがその街の標識に記された地名は…“ロックンロール天国(ヘヴン)”!?
 一見おだやかなそうな街ではあるが、どこか、何かがおかしい…。街の中心部にある巨大な野外音楽堂の横断幕には「今夜、コンサート開催」という文字がデカデカと踊っている。でもって街の住民は皆、どこかで見覚えのあるような…?

 スティーヴン・キング(Stephen King)の短編集「NIGHTMARES & DREAMSCAPES」に収録されている92年作の「You Know They Got a Hell of a Band」という作品は、ロック&ホラーの傑作として名高く、日本でも「いかしたバンドのいる街で」というトホホ邦題でお馴染みだ。
 クラークとメアリーがロックンロール・ヘヴンの住人達に驚愕したのも無理はない。なんとその街の住人というのが、ジャニス・ジョプリン(Janis Joplin)をはじめ、リック(リッキー)・ネルソン(Rick Nelson)、ロイ・オービソン(Roy Orbison)、バディ・ホリー(Buddy Holly)、ザ・フー(THE WHO)のキース・ムーン(Keith Moon)などなど、もうとっくにこの世にはいないはずのアーティストばかりなのであった。フレディ・マーキュリー(Freddie Mercury)も“ロンドンから先ほど到着した”とあるのは、フレディがHIV/AIDS合併症により逝去したのがこの作品が書かれた前年の11月だったため。あ、ちなみにこの街の町長はエルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)なのであった。
 そんな彼らのショーがこのロックンロール・ヘヴンでは永遠に繰り返されるのだ…。

 作者の作品解説によると、この作品を書く原動力となった刺戟は、あれほど多くのロック歌手が若くして死を遂げたり、また悲劇的な情況で命を奪われたり―ドラッグのやりすぎやアルコールの飲みすぎ、飛行機事故や銃の犠牲者、路地裏やプールで死体となって発見されたり、胸にハンドルのシャフトが突き刺さり、顔の半分が吹き飛ばされた死体となって道端の側溝で発見されたり―しているのは紛れもなく不気味なことだという思いからだそうで、キングの目にはその暗い面…キングスネークのような蛇が這い回っている部分が否応なく見え、そこのところを表現したかったのだとか。

 思えばちょっと前までは若くして衝撃的な死を遂げるスターが確かに多かった。
 この作品にチラッと名前が出ているジョン・レノン(John Lennon)は40歳で射殺されたし、T.REXマーク・ボラン(Marc Bolan)は30歳目前にして自動車事故で世を去った。ハノイ・ロックス(HANOI ROCKS)のds.ラズル(Razzle)やコージー・パウエル(Cozy Powell)も事故死だったっけ。元セックス・ピストルズ(SEX PISTOLS)のシド・ヴィシャス(Sid Vicious)が薬物の過剰摂取でこの世からいなくなったのは21歳の時だっけ。同じく薬物で亡くなったジョン・ベルーシ(John Belushi)だって33歳だものなあ。前回ご紹介したTHE B-52'Sのギタリスト、リッキー・ウィルソン(Ricky Wilson)が85年にAIDSによる合併症で逝去したのも32歳…と、ホンマに挙げればキリがない。

 そんな彼等がもし今でも小さな街で生きていて、夜な夜なコンサートを開いていたら…。
私だったら嬉しくて仕方がないけどなぁスマイル たとえ彼等がゾンビのようになっていたとしても。
…いや、やっぱゾンビになったベンさん(元THE CARSBenjamin Orr)やリッキーは見たくないかも(><)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2010.11.16 00:06:29
コメント(2) | コメントを書く
[書籍・雑誌] カテゴリの最新記事


PR

Free Space

Recent Posts

Category

Keyword Search

▼キーワード検索

Headline News


© Rakuten Group, Inc.