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カテゴリ:個別銘柄
前回AKIさんから「ドラッグストアの24時間営業は採算がとれるのか?」
との意見をいただきました。 私なりに少し考察してみたいと思います。 前回書いたとおり上場企業の中ではウェルシア関東が深夜営業を実施しています。 ただ24時間営業ではなく、深夜の24時までの営業です。 ウェルシア関東の過去業績の推移が今後のドラッグストア業界における深夜営業の 事例の一つとなると思います。 まず過去の推移です。 ■店舗数と深夜営業比率 全店舗数 深夜営業店舗数 深夜比率 H13 65店舗 33店舗 50.8% H14 81店舗 51店舗 63.0% H15 95店舗 65店舗 68.4% H16 115店舗 ? H17 151店舗 ? (株)ナカヤを子会社化 H18 220店舗 119店舗 54.1% (株)いいのと合併 ■経営指標の推移 粗利率 販管費比率 経常利益率 H13 ? 19.4% ? H14 23.9% 21.0% 2.9% H15 24.3% 21.4% 2.9% H16 25.0% 21.1% 4.1% H17 25.8% 22.1% 3.8% ■既存店売上高の推移 H13 104.0% H14 101.7% H15 107.1% H16 110.2% H17 104.9% H18 102.1% (1月まで) H13以降販管費比率は上昇傾向にありますが、経常利益率も上昇傾向にあります。 これはPB商品比率を高め粗利率も上昇していることによるものです。 H17は販管費比率が1%も上昇し利益率を若干落としています。これは子会社化した ナカヤが要因か、既存店売上が計画より減少したか、でしょうか。 以上からわかることはウェルシア関東は深夜営業の拡大によるものかどうかはわかり ませんが、販管費比率は上昇しているものの、商品構成の見直し等の取り組みにより 経常利益率も改善させていることです。 この間、既存店売上は大幅に増加しています。特にH15、H16は現在のコスモス薬品 並みの伸び率ですね。おそらく深夜営業の効果だろうと思われます。この深夜営業による 営業時間の拡大分だけ単純に売上・利益ともに増加しますので、ウェルシアのように経営 が良い会社は深夜営業を業績の向上につなげることができます。 規制緩和は深夜営業のノウハウがあるウェルシア関東にとってはかなりの追い風に なるだろうと思います。少なくとも薬剤師の比率を減らし人件費比率が下がる事により 利益率の改善が見込めます。 以上の事例よりドラッグストアは少なくとも24時までの深夜営業であるならやり方に よっては十分採算が取れるということは言えるのではないかと思います。 ウェルシア関東はあくまでも事例の一つです。今後同業他社がどのような経営戦略を 立ててくるのかはとても興味あります。深夜営業といっても24時までのところもある でしょうし、コンビニ同様採算さえ合えば24時間営業をする会社も出てくると思います。 ただ規制緩和実施は2年後のようですのでまだまだ先の話ですけどね。 深夜営業のスーパーが何故少ないか、という問題は別に考える必要があると思います。 当然採算が取れないので深夜営業をしていないのでしょう。それは何故か? 私の思いつきですが、需要が少ない、要は夜中に野菜や卵や魚や豆腐を買おうという 人自体が少ないのだと思います。スーパーの主要顧客って主婦ですよね。主婦が夜中に 買い物する事自体おかしいです。なので夜中のスーパーの客は少なく、経費に見合うだけ の客数が見込めないということです。 ちなみに私の家の近くのライフは駅前に立地し、25時まで営業しています。夜中も 結構人が入っています。恐らく単身赴任など、一人暮らしの客だろうと思います。この ような経費以上の客数が見込める地域はスーパーの深夜営業も成り立つと思います。 ドラッグストアが深夜営業をしたとして、主要顧客は今夜中にコンビニを利用している 人になると思います。コンビニは夜中でも人が入っていますよね。夜中にコンビニで売 れる商品って、弁当、飲み物、菓子、酒ですかね。このうち、弁当以外のアイテムは奪 えるのではないでしょうか?つまり十分ドラッグストアの深夜時間帯の需要はあるだろ うと言う事です。 この様なことを考えると以外にドラッグストアの深夜営業のハードルは案外高くないの かな、と思います。あくまでも私の想像の域を出ませんけどね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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