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暗雲
先日一通の封書が届いた。 刀剣専門の情報新聞を発行している刀剣新聞社が業務を停止すると言う。 それに伴い当該社が発行している【刀剣春秋新聞】と委託販売誌の【愛刀】も廃刊する旨のお詫びの内容だった。 刀剣春秋新聞は半世紀になんなんとする実績を持ち、愛刀誌も発刊以来30年を数える。 昨今の原油高や物価の高騰は、近来に見ない急激な様相を見せ今後の展望も予測できないほどである。ここ数年は好況と新聞紙上などでは書かれていたが、世間一般では不況を感じてはいてもとても好況とは思えない状況だった。今後はより一層身近に不況感を身につまされるのだろう。 刀剣趣味の世界に於いても例外ではなくここ数年刀剣の値段は下がり続けている。 売値はそう極端に下がっているわけではないようだが、刀剣商の間では一部の刀剣以外は極端な安値であるとも聞く。 当該社の内実は知る由もないが、一社でも刀剣社会の情報が途絶えるのは残念に思えて仕方がない。長きに亘り愛読してきた読者としては哀惜の念を禁じ得ないが、発行者としても断腸の思いは察するに余りある。 当時の委託販売誌の魁を成す愛刀誌は、1976年6月の創刊より2008年9月号で第388号を数える。正味32年4ヶ月である。 当時はインターネットなどもなく、中央の刀剣相場は刀剣柴田の【麗】と、この【愛刀】でしか知るすべはなかったことを思い出します。 昨今は刃物での刃傷沙汰が多く、日本刀に対しても世間一般の見る目も厳しいように感じています。 現在の刀剣界に立ち込んでいる数々の暗雲や、日本刀そのものに懸かりかけている暗雲を我々愛好者は吹き払う事ができるのだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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