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シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

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2006年09月08日
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カテゴリ:神秘体験空間
 神秘学によると、悪魔アーリマンが憑依した最も邪悪な人間には、人間とは思えない冷酷さや非人情さが現れてくるという。そして、その顔つきは、獣のようなものに変わってくるというのである。前回で、人間の自我は、3つの宇宙力をうけていると書いたが、この顔つきの獣化の要因は、その3つの宇宙力である鷲のような思考、獅子のような感情、雄牛のような意志が、バランスを失い、分裂し、そのうちのどれかが際立って目立ってくることに、依っているのではないかと思われる。

 そういえば、現日本の総理やブッシュはライオン似で、独裁者ヒトラー、スターリンは鷲似、チャーチル、毛沢東は雄牛似のような感じがする。

 これは、鷲が強いと思考過多で、権力指向の強い暴力的人間の性格を表現し、獅子が強いと感情過多で、依存症的あるいは狂信的な人間の性格となり、雄牛が強いと意志過多で、冷たく無感動な知的人間の性格を表現するという。上記の人間の性格を上手く現してはいないだろうか。まるで動物占いのようでもあるが、神秘学では、人間の魂は、動物の全てが集まったバランスよい平均型といわれるので、なんらかの動物顔は、魂のその偏向的傾向を表すものといえるだろう。

 これに似たような話は、グルジェフの人間のタイプ分類というのがあり、タイプ1は、いまいった思考だけが突出した人間で、鷲といえ、タイプ2は、感情の突出した獅子のような人間、タイプ3は、意志の突出した人間で雄牛のような人間といえるだろう。人間のなかの自我は、魂の反映なのであるが、魂の能力により、これらの思考、感情、意志が、自我にもたらされてくるという。もっと魂の能力を詳しくいえば、魂は、父、子、聖霊の3つの意識能力別に分けられるという。上述した思考、感情、意志の3つの魂の表現能力は、聖霊領域のことを意味するようである。これを一般的には、意識下の精神と呼んでいる。

 聖霊領域より深い魂の領域は、子(ロゴス)の領域であり、恐らく、これが意識下の3つの思考、感情、意志の調整役、統合役、つまりバランスをもたらすところで、グルジェフの分類では、タイプ4にあたるものだと思われる。神秘学では、これをマナス(霊我)と呼んでいるようである。子の領域をロゴスと呼ぶのは、宇宙魂と人間個人の魂の自我の交信を司る、言語的な領域なのだからではないだろうか。この魂の領域を、一般的には、無意識下の精神と呼んでいる。

 太古の秘教学院では、意識下の精神である、魂の表現能力の、3つの思考、感情、意志を高めるために、それぞれ、占星術師、医師、錬金術師別に養成したという。この秘教学院は映画ハリポタの魔術学院のネタになったようだ。そして、どれにも所属しない第4番目の統合調整領域、つまりロゴス領域は、学院では謎とされていたようだが、恐らく、救世主養成部門というべきものだったのだろう。

 さて、悪魔のうち最大邪悪のソラトは、意識下の精神を欲望により揺さぶり、その間の魂の調整能力を失わさせ、いわゆる魂のロゴス領域を遮断するように、刺激してくるものと思われるのである。つまり、魂のロゴス領域を麻痺させ、情報壟断を図り、魂を分離させ、粉々にし、宇宙の塵のなかに解消してしまおうと画策するウイルスのような情報体、いわゆる霊体であることがわかる。

 この魂のロゴス領域の調整能力を失うと、意識下の精神に偏りが目立ち、顔面に、獣に似たその特徴を現す人間となるのであろう。これを黙示録では、666の獣の刻印と呼んでいる。つまりソラトに憑依され、ロゴスを失った獣人間アスラの魂のことを表すのだろう。顔をみれば、その人の魂の意識状態(能力)が分かるのである。神秘学では、肉体は魂の鏡といわれているので、この顔相は、魂そのものの能力を表しているといえる。

 日本でも、龍や天狗や狐、狸といった獣は、その魂の偏りを表しているのだろう。狐や狸に化かされるとは、その人間が顔に表す魂の能力を意味しているのだろう。つまりこれらは、ロゴスのバランスを失い、何らかの獣的に偏向する魂の病的な状態を表すのだろう。龍や天狗は鷲、狐は獅子、狸は雄牛のような性格を現したものだと思われる。そういえば、龍や天狗は、権力指向の強い暴力的人間の性格を表現するのに用いられ、龍の刺青は、暴力的な人間に多く、権力志向の性格に対して、「あいつは天狗になっている!」とよく用いられ、狐は狡猾などこか狂信的で、呪詛的な人間の象徴として用いられるし、狸は、どこかトボけた、無感動な性格として用いられる。これらの多くは偏向した魂の象徴であり、妖怪、つまり悪霊なので、どこか魂にバランスの悪さをもたらすものだと思われる。

 人間は、体験により喜怒哀楽の表情を変えるが、それは魂も同時に体験を共有していることを示しているといってよいのだろう。つまり、この世を体験した肉体が、魂の鏡としてそれを映すことで、魂は、自らを調整していく能力の機会に恵まれるのではないかということである。この世の体験こそが、魂が自らをコントロールしえる能力を身につける糧であるというわけなのである。だから、この世は、魂という乗り物の教習所なんではないかということである。霊界に出る前の、魂に安全な交通ルールを守るための教習所なのではないかということである。

 魂の最奥の父の領域は、謎である。グルジェフではタイプ5と呼ばれる。この魂の最奥領域は、宇宙魂との境界領域なのであろう。もはや想像すらつかない。一般的には超意識下の精神と呼ばれる。神秘学でいう、デヴァ下位神界なのだろう。





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Last updated  2006年09月08日 17時11分57秒
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