6月15日の桜島噴火 「過去最も高い噴煙-9千メートル超」
鹿児島地方気象台は目視やカメラで噴煙の高さを観測していますが,爆発的噴火が起きた時は,雨の影響で確認できませんでした。雨や雪の観測に使われる気象レーダーがこの噴火による噴煙や火山灰の雲を捉えており,解析して特定しました。これまで噴煙が最も高かったのは,2019年11月8日の火口から5500メートルでした。
⇒⇒ 気象庁気象研究所 ⇒ 本年6月4日桜島噴火の噴煙高度は約8,000m以上
~気象レーダー観測網による観測結果から推定~
本年6月4日2時59分,桜島(鹿児島県)では,噴石及び空振を伴う噴火(爆発)が発生しましたが,雨の影響により,監視カメラによる観測では,噴煙の高度が分かりませんでした。
しかし,気象庁が雨や雪の観測に用いる気象レーダー観測網がこの噴火による噴煙・火山灰雲を捉えており,気象研究所が独自に開発した手法を用いて解析した結果,噴煙高度は最高で海抜約8,910~10,630m(火口上約7,850~9,570m)となっていたと推定できました。
これまでの桜島の噴煙高度の観測(1955年10月以降の目視及び監視カメラによる観測)では,令和元年(2019年)11月8日17時24分の爆発で火口上5,500mという記録がありますが,観測手法の限界により,この事例を超える高さの噴火も複数発生していたと考えられます。実際,平成24年(2012年)7月24日19時15分の爆発では,8,000mに達していたとの報告があり,今回の噴火(爆発)に伴う噴煙高度は,この事例と同程度であったと推測されます。