一度は口にしたことのある懐かしい駄菓子として「ボンタンアメ」を挙げる人も少なくないでしょう。セイカ食品製造のボンタンアメは1924年(大正13年)の発売から,もうすぐ1世紀。昔と変わらぬ食感と風味で今も愛され続けるロングセラー商品です。
誕生のきっかけは,セイカ食品の前身,鹿児島菓子の水あめ工場で,従業員が熊本県の郷土菓子「朝鮮飴(あめ)」をはさみで切って遊んでいた様子が創業者の目にとまったこと。一口サイズに切りそろえ,箱詰めして売り出すアイデアがひらめいたというこです。
和菓子に使われる求肥と同じように粉にした餅米を水と混ぜ,砂糖と水あめを加えた素材に鹿児島県特産のボンタンの果汁やオイルなどで色や味を付けました。米粉は通常,時間がたつと硬化してしまうが,でんぷんに対する糖分の比率が高いことで通常の求肥以上に日持ちします。発売当初からほとんど変わっていない,という絶妙な比率が,歯応えのある柔らかさを保っています。
箱詰めなど一連の工程の中には手作業の部分も残っており,生産性の面から大手メーカーでは手が出せない分野になっていることも,息の長い商品になった理由の1つとなっています。
ボンタンアメのキャッチコピーは「ときどき,ずっと。」。記憶の部分を大切にしながら,親から子へと世代をつないでいく。ボンタンアメは次の100年を静かに見据えています。
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