『
久米宏です。 ニュースステーションはザ・ベストテンだった 』は、久米宏の書き下ろし自叙伝。TBS入社から50周年を経てメディアに生きた日々を振り返る。入社の顛末から結核に苦しんだ新人時代、永六輔さんに「拾われた」ラジオ時代、『ぴったしカン・カン』『ザ・ベストテン』そして『ニュースステーション』の18年半、その後『久米宏 ラジオなんですけど』の現在まで。久米宏の道のりはメディア史にそのまま重なる。ラジオからテレビの貴重なメディア史の記録。
◆黒柳徹子さんのこと-
世間は黒柳徹子さんのことを早口でおしゃべりの〝天然キャラ〟だと思っているかもしれない。でも僕が彼女をひと言で表すならば 「健康な努力家」。まず体がとても丈夫。そして実は地道な努力家だ。そのことはあまり知られていないと思う。
黒柳さんはできる限りの準備をしてから本番に臨む。いつも手のひらに入るほどの小さなカードにびっしりメモを記し、本番中はそれを確認しながら司会をしていた。
どんな仕事にも手を抜かずに全力投球し、そのための努力は睡眠を削ってでもする。
『ザ・ベストテン』時代に個人的なおつきあいはなかったが、『ニュースステーション』にゲスト出演して頂いたときから食事をご一緒するようになった。ある日、いつもは話の止まらない彼女が「今日は帰る」とおっしゃる。理由を聞くと、「あしたクイズ番組の収録があるから、これから7冊くらい本を読まなきゃいけないの」・・・・・・・(以下略)
出典:
『久米宏です。 ニュースステーションはザ・ベストテンだった』 p90