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2023.10.25
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今日は秋晴れでしたが、午後は雷が鳴りました。
会社からの帰宅時で雨には遭いませんでしたが、雷が落ちてきそうで怖かったです。季節の変わり目は天気が崩れ易いですが、もうとっくに季節は変わっていると思うのですがね。今年の天気は一体どうなっているのでしょうか?
今回も江戸川乱歩作品の感想を書きたいと思いますが「一寸法師」と「屋根裏の散歩者」以外は明智さんが登場しない作品ばかりです。

江戸川乱歩の大人向けの作品といえば残酷で危ない描写が多いですが、この作品はその極め付け!何と言っても人が人を食べる「食人行為」が出てくるのですから!!
主人公の画家が恋人を連れて人里離れた温泉ホテルへ訪れますが、そのホテルの近くの森の中で恋人が行方不明になってしまいます。後に画家の友人(探偵趣味あり)や恋人の夫(かなり粗暴)が絡んできて、諸共にホテルの主人により洞窟内に生き埋めにされます。
恋人の夫の話によると、彼とホテルの主人はかつての船乗り仲間で、船が遭難した際に空腹のあまり仲間を殺して肉を食べた事があるとか!それ以来、人肉の味が忘れられなくなったホテルの主人は、トルコ風呂でマッサージをしながら魅力的な身体の持ち主を殺して食べていたらしいです(ホテルの料理として主人公に振る舞われたのも人体の一部:汗)。
洞窟内での3人のサバイバル生活が壮絶!清潔かどうか分からない水を舐めるように飲んだり、先に洞窟内で死んでいた人の肉を食べたり・・・・・・(汗)。最終的に生き残って脱出した主人公は痩せ細り、生き埋めにされる前とは全く様相が変わっていました。まるで、地獄の亡者・・・・・・(汗)。
最終的に主人公は、ホテルの主人に拉致されていた恋人(すでに熱病で死亡)の体を巡り、壮絶な対決をする事になりますが・・・・・・これは殆ど人外の闘争ですので、ご想像に任せます。(「パノラマ島綺譚」収録)

覗きという悪癖を持つ主人公が、精神療養の為に湖の側に建つ「湖畔亭」という旅館に泊まります。手製のシュノーケル眼鏡で自室から浴場の脱衣場を覗いていましたが、そこで女性が刃物で刺される現場を目撃してしまいます。
主人公は旅館で親しくなった男性に訳を話し、2人は覗きの事は伏せて警察に通報します。後の捜査で芸者が行方不明になっている事、脱衣場に血痕を拭き取った跡がある事が分かり、旅館で風呂焚きをしている知的障害のある男性に殺人の容疑が掛かりますが、彼は崖から落ちて死んでしまい、被疑者死亡で事件は解決してしまいます。
実は、殺された筈の芸者は生きていました。主人公と親しくなった男性と芸者(2人は恋人同士)は、主人公の覗き眼鏡の前で芸者が殺されるような芝居をしました(主人公の覗き趣味には気付いていたので)。こうして主人公を証人にして、脱衣場に血痕(2人の血を少しずつ採取した物)の跡を残し、風呂焚きに殺人の罪を着せ、芸者は存在を消された事で自由の身となり、2人は共に別の町へ逃げていきました。
主人公は男性の告白により真実を知り、秘密を守ることを約束しますが、知的障害があるというだけで1人の男性に罪を着せ命を奪う行為にはモヤモヤが残りますね。(「パノラマ島綺譚」収録)

空気男​(元々は「二人の探偵小説家」という題)
同じアパートに住んでいる2人の青年。探偵小説好きという共通の趣味を持っていた為、2人は懇意になっていきます。2人は揃って探偵小説家になり、互いの作品を取り替えて発表して世間がどう評価するかを試してみたり、どちらかが探偵役か犯人役かを決めて演じてみたり、色々と退屈しのぎして楽しんでいましたが、ある日、一方の青年がもう一方の健忘症の気のある青年に対して「キミは記憶は無いけど空気で感じているだけ」という事で「空気男」という渾名をつけてしまいます。
この健忘症の青年に何かしら暗示を与えて、おちょくるつもりなのかもしれませんが、この先2人は犯罪事件に巻き込まれていきそうな気配がします。現に小説の挿絵画家が、不倫のもつれで変な事になってきてますので・・・・・・。
残念な事に、この小説は未完のままで終わってしまっています。続きは読者の想像に任せるという事でしょうか。それもまた楽しいですけど(笑)。(「パノラマ島綺譚」収録)

この物語に登場する「一寸法師」は、とんでもない極悪人です。「踊る一寸法師」のロクさんや「湖畔亭事件」の旅館の風呂焚きのように障害者であっても健気に生きている存在と違って、健常者を妬むあまり放火をしたりして何の罪も無い多くの人々の命を奪ってきました。しかも通常は、義足をつけて寺の住職に化けています。
この一寸法師、恋のもつれで恋敵を殺めてしまった令嬢の父から、娘を救う為に恋敵の死体を始末するよう頼まれます。一寸法師、これをネタに令嬢の義理の母を強請って関係を持とうとしたり悪事の限りを尽くします。
後に判明する事ですが、令嬢が殺めたと思っていた恋敵、実は死んでなくて始末の途中で目を覚ましてしまいます。強請りのネタが無くなると思った一寸法師、せっかく生きていた少女を改めて絞め殺してしまったとか・・・・・・。
事件解決後の明智探偵の口振りでは、この極悪非道の一寸法師は例え犯していない罪があったとしても罪を着せて犯人にしてやりたいような救いようの無い極悪人だったようですね。(「パノラマ島綺譚」収録)

この物語の犯人は、何をやっても長続きせず世の中が面白くない精神を蝕まれた男。いつしか犯罪に興味を持つようになり、街中を変装してうろつくなど奇行に走るようになります。
あるアパートに引っ越した時、その部屋の天井板が動くのに気付いてからは「屋根裏の散歩者」となり、天井板の隙間からアパートの住民の生活を覗き見るようになります。そして、ついには天井板の隙間から毒を垂らし殺人を犯してしまいます。
殺された男性は自殺とされて、完全犯罪が成立したかに見えました。でも、自殺するつもりの者が目覚まし時計をセットしているのはおかしいという事で、明智探偵にトリックを見破られてしまいます。

推理物では無く、ファンタジーの物語のようです。老人と美少女の押絵細工を持ち歩いて旅する(40歳にも60歳にも見える)男性が登場しますが、何でも押絵の老人は彼の兄で、若い頃に押絵の少女に恋してしまい、自分も押絵になって一緒に額縁の中に入ってしまったそうです。それ以来、押絵の中の兄夫婦が退屈と思って、押絵を持って色々な所を旅するようになったとか・・・・・・。
何とも不思議な話ですが、もしかしたら兄がいるというのは偽りで、実際に押絵の少女に恋しているのは彼自身なのかも?年毎に老いていく押絵の男性は彼の分身。彼は押絵の少女に恋しているなどという事を他人に知られるのが恥ずかしくて、兄の事であるような創作話をしているのかもしれませんね。(「屋根裏の散歩者」収録)

主人公の自宅が火事になり、愛妻が亡くなってしまいます。妻は子供が家に取り残されているという誰かの言葉により家に引き返していったらしく、思い込みの激しい主人公は学生時代の恋敵の仕業と思い、彼に復讐しようと考えます。
結局のところ復讐は失敗してしまい、結果的に主人公は発狂してしまいます。実際のところ、妻を殺した犯人は恋敵なのか、他の誰かなのか、真相は藪の中に終わります。何にしても、冷静さを事欠いて思い込みだけで突っ走っていては真実が見えないどころか、自身を破滅に導きかねないという戒めでしょうね。(「屋根裏の散歩者」収録)

今回は、ここまで。





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最終更新日  2024.05.15 00:57:28
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