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2024.07.12
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横溝・乱歩作品の感想を書かせて頂きます。
今回は横溝正史の作品集「​​​仮面劇場​」の感想を書かせて頂きます。これらも由利鱗太郎先生と三津木俊助記者が活躍する話を集めたもの。長編は2つで後は短編ばかりですが、どれも読み応えがありました。

​仮面劇場​
金持ちの有閑未亡人の前に現れた、視覚・聴覚・言語のどれもが不自由な三重苦の美少年。この美少年を巡って、奇怪な連続殺人事件が発生します。
テレビドラマにもなった事があるので、ご存知の方々もおられるかもしれませんが、ドラマの方は由利先生では無く金田一耕助が探偵役にされています。
未亡人の恋人やその従兄妹達の家族も関係していて、誰もが怪しく見える中、未亡人が恋人を嫌疑から遠ざける為に周囲を突っつき回してくれるせいで、由利&三津木の捜査は難航します(汗)。
この美少年、思えば可哀そうな身の上で、未亡人の恋人の母と叔父の仲を誤解した父が復讐の為、叔父の妻と不義を働いて産ませた子でした(つまり、未亡人の恋人とは異母弟、従兄妹とは異父弟の関係)。
彼は貧しい家庭へ里子に出された後、目も耳も不自由になり、辛い思いをした分、自分を生み出した全てに対して復讐の念を募らせていたものと思われます。最終的に美少年は、自分を慕う瓜二つの異母姉(未亡人の恋人の妹)と共に義眼に隠していた毒物で自害します。
この物語が書かれたのはヘレン・ケラー来日の翌年で、大いに影響を受けていたと思われます。

​​双仮面​​
富豪のダイヤを狙う謎の怪盗・風流騎士。変装名人で、まるで怪盗ルパン!!伝書鳩を使ったダイヤの輸送トリック、風流騎士の仲間と思われる女流歌手のサーカスの如き逃走劇、そっくり同じ外観に造られた双子のような屋敷を使ったトリック、付属のダイヤを盗もうとすると相手の首を締め上げる仁王像、水上の汽船の逃走劇など、見どころがたくさんで楽しめました。
でも、この物語、意外性がたっぷりで、善人と思っていた人が徐々に本性を現していったり、悪人と思っていた人が意外とヒロインに優しかったり。
この2人、実は双子の兄弟で、身勝手な富豪の祖父さんが跡取り欲しさに2人を引き離して育てました。祖父さんに育てられた方は、祖父を殺して遺産を独り占めしようとするような性格に育ち、親元に残った方は両親の死後は盗賊の道を歩みます。
双子達はお互いを罠に掛け合い(ゆりりんも含めて三つ巴)、結果的には風流騎士が勝ちますが、愛
するヒロインとの結婚式の場で死んだと思われていた悪の双子が風流騎士を殺して成りすまし、由利先生に正体を見抜かれ自害します。
後味が悪いですが、思えば離れ離れの双子が死ぬ事でやっと一緒になれたのですよね。

​猿と死美人​
三津木俊助、猿に化ける!!(笑)これは、猿の蒐集家(質の悪いオヤジ)に体を奪われた報復に彼を
殺した犯人(女性)に脅しをかけて自白させる為の罠でした。
彼女は殺人を犯した後、疑いを避ける為に自分を刺して舟で流されました。誰かに発見される為に、鈴を付けた猿を一緒に繋いでおきました(鈴の音で三津木記者が発見)。
殺害された猿蒐集家は、申年生まれで、その部屋たるや溢れるような猿グッズの数々で埋め尽くされ、まさに猿!猿!猿!!想像したら笑えちゃう!!(爆笑)
主人公側に都合の悪い文書の隠し場所「老いたる僧侶」というのが、西行の額縁では無くオールド・モンキー(老猿のはく製)の事だったというのも笑えます。

​木乃伊の花嫁​
高名な医学博士の令嬢の婚礼の場。三々九度をしようとする際、天井から花嫁に降り注ぐ血の雨。恐怖の悲鳴が上がる中、天井を調べると花婿の恋敵が頸動脈を斬って自殺していました。令嬢の恋人の元には、恋敵から木乃伊のような顔の花嫁人形が送られていました。その後、令嬢と恋人は骸骨のような顔の男につけ狙われます。果たして、恋敵は本当に死んだのでしょうか?
実は、真犯人は令嬢の父である医学博士。博士は且つて恋した女性夫婦の遺児である娘(令嬢)を育てていましたが、母親そっくりに育った娘を独占したくなり、娘に恋する男性を亡き者にしようとして恋敵を殺害ました。結局、医学博士は崖から落ちて死んでしまいました。
由利先生は、木乃伊の花嫁人形から令嬢の恋人宛の手紙を見つけ出しました。それは、博士の娘に対する邪な想いに気が付いた恋敵が、危険だから令嬢から手を引くよう警告する内容が記されていました。普通に彼に危険を伝えても、恋敵の妬みによる中傷と思われただけでしょうからね。難しいです。

​白蝋少年​​
蝋人形のように美しい容姿の美少年。彼は美しい容姿とは裏腹に、歪んだ心をもっていました。彼は自分で自分の体を傷つけては、正妻の子である兄姉に虐められたと言い、2人を悪者にして迷惑を掛けていました。自分が妾の子という僻みからか、他者を悪者にして悲劇の主人公になりきって楽しんでいるのか。何にしても、思い込みの激しい人間は怖いです。
困った事に、まだ1人思い込みの激しい人間がいます。それは美少年の女性家庭教師で、彼女は美少年を溺愛するあまり、彼の言う事を鵜吞みにして兄姉を目の敵にしています。
美少年の心の歪みは高じて、とうとう家庭教師に兄姉に復讐して欲しいと遺言を残し、毒入りの香水を口に吹き込み自殺してしまいます。美少年が兄姉に殺されたと思い込んだ家庭教師、葬式場から彼の死体を盗み出した後、2人に復讐を誓います。
そこで不幸が起きるのかと思いきや、大丈夫でした。香水の瓶が毒入りとは知らない家庭教師、美少年の癖を真似て香水を口に吹き込み、帰らぬ人となってしまいました(哀れ)。
その後、美少年の死体を見つけた腹違いの兄さん、彼がまだ生きていると思ってナイフで刺したり、後始末の為に死んだ2人を繋いで川へ流したり、捜査をややこしくしてくれます。それでも、三津木記者が真相を暴いて、兄さん姉さんの潔白を証明してくれますけど。
何にしても、思い込みや妄想によるいじめは、受ける方は堪ったもんじゃありませんよ。

​悪魔の家​
三津木記者と知り合った女性が住んでいる和洋折衷の陰気なお屋敷。その庭に不気味な悪魔の顔が浮かび上がります。
この屋敷は女性の姉(故人)の夫の家で、彼女の姉の夫である義兄を始め、義兄の実弟(背骨が不自由)、発達障害の幼女(姉夫婦の娘)、片足が義足の男など、一癖も二癖もある人物が登場する中、屋敷内で女性の義兄が殺害されてしまいます。
電灯を利用して悪魔の幻影を作り出したのは、義兄の弟。彼は義姉を虐待して命を縮めた兄を悪魔の仕業に見せかけて殺すつもりで、悪魔の幻影を作り出したとの事。でも、実際に義兄を手に掛けたのは三津木記者と知り合った女性。彼女は義兄が義足の男と共謀して姉に毒を盛ったのを知り、復讐したのでした。
2人は自供した後、毒を飲んで死亡し、姉夫婦の娘の幼女も肺炎をこじらせなくなりました。元から悪魔にとり憑かれた家だったのでしょうか。

​悪魔の設計図​
ある富豪が、愛人達に産ませた遺児達に遺産を残す内容の遺言状を作成しました。その内容というのは、3人の娘達に遺産の全てを譲り、1人死ぬごとに残りの者がその分を受け継ぎ、娘達全てが死ねば財産の全ては1人の息子が相続するというもの。まさに、殺人をけしかけるような内容の悪魔の設計図!!由利先生はご立腹です。
実は、その富豪は自分を裏切って逃げた女性の遺児である息子を焙り出し、復讐する為に悪魔の設計図とも言える遺言状を作成しました。息子の仕業に見せかけ罠に落とす為、罪の無い娘達まで手に掛けていきました。何という邪な父親でしょう!!
それでも、愛人の娘達の1人と姉妹のように育った少女の少年探偵団張りの活躍のお陰で、娘達の最後の1人は救われ、富豪は罪を認めて自害しました。生き残った義理の姉妹達には、幸せに暮らして欲しいです。

​銀色の舞踏靴​
雑誌の美人投票でベスト3に選ばれた美女達が、銀色の舞踏靴を履いた状態で次々と殺害されていきます。三津木記者は、そのうちの最後の1人と関わっていきます。
犯人は、ベスト3の美女達のうちの1人の夫。妻だけを殺したのでは自分に疑いが掛かるので、他の美女達も殺してベスト3の美女達だけを狙った猟奇殺人に見せかけたのでした。というか、元から変質的なところがあったのでしょうね。
最後まで生き残った女性は、父親から美人投票など低俗だと非難されていました。確かに、何かのランキングを作って他者に見せびらかすのはトラブルの元かもしれませんね。

​黒衣の人​
女優殺しで投獄され病死した兄の無罪を信じる主人公の女性。彼女が高原で出会って以来、信仰を持っている「黒衣の人」から兄の潔白を証明するという内容の手紙を受け取ります。それを信じて目的地へ向かうも、何度か危ない目に遭います。
実は、最初に女優をステッキで殴っていたのは、女性が身を寄せている叔母。息子を誘惑する女優にやめてくれるように懇願しても聞き入れられなかった事で犯行に及んだようです。でも、実際に女優にとどめを刺したのは女優の弟子の女。それでいながら、女優の弟子は叔母を女優殺しの犯人として強請ってきました。
そこへ女優の弟子の情婦まで割り込んできて、分け前に与ろうとして争いになり女優の弟子を殺害。黒衣の人を装って主人公の女性を誘き出し強請ろうとするところを、三津木&ゆりりんに阻止されます(由利先生曰く「その畜生を警察へ連れて行きたまえ」:笑)。
最初に黒衣の人の手紙を作ったのは叔母で、同時に女優の弟子も呼び寄せていて、主人公の女性に女優が殺された際に着ていたのと同じ着物を着せて、女優が好きな花も持たせていたので、それを見た迷信深い弟子が女優の幽霊が出たと錯覚して罪を自供するものと見ていましたが、既に弟子は情婦に殺害されていました。
叔母は罪の告白をした後、息子に女性を託し、病気で息を引き取りました。何だか、後味が悪いです。

今回は、ここまで。





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最終更新日  2024.07.14 23:37:43
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Re:横溝・乱歩読書感想文37(ネタバレあり)(07/12)   chachochacho さん
すごい、9編も要点をまとめられたんですね。鉄壁の勉強方法ですね。横溝正史と江戸川乱歩に関しては、へたな文庫の「あとがき」を書く人達よりも、深いんじゃありませんか? (2024.07.18 21:46:49)

つい力が入る感想文(笑)   a-chan8684 さん
chachochachoさん、こんばんは。
横溝作品は短編であっても中身が濃く、読み応えがありますので、感想1つを書くにも、つい力が入ってしまいます(笑)。「あとがき」を書かれている人達の方が、私よりも横溝・乱歩に造詣が深いと思います。私はただ読んで思った事だけを書いているだけですので(笑)。 (2024.07.20 20:18:49)


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