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カテゴリ:マスコミ
平成の事件で忘れられないものとして相模原の障碍者施設で起きた殺傷事件がある。
事件そのものの衝撃よりも、その後の報道に異様さが印象に残る。 男性35歳、女性40歳…というように被害者の性別の年齢だけが列挙されていたのだ。 なんなのだろう、いったい。 たしかに被害者や被災者で氏名を報道すべきでない場合がある。 けれどもそういう場合、女性が被害者になる犯罪ではA子さん(20歳)といったような表記がなされるし、風俗店火災のような場合にはBさん(男性56歳)といったような表記になる。 同じ実名非公表でも、Aさん(男性35歳)と男性35歳では印象が違う。 前者には姓名はあるのだが被害者や被災者遺族をおもんばかって出せないという色合いが強く、後者では、初めから姓名がないように見える。 なぜ相模原の事件ではああいった表記がなされたのか不思議でならない。 もちろんあの事件の被害者遺族の中には被害者の氏名を公表したうえでマスコミ等で発言している人もいる。けれどもそれはいつも同じ人であり、大勢いる多くの被害者は依然として女性〇歳、男性△歳のままであり、その遺族は決して表にはでることがない。 もしかしたら被害者たちの多くは生前も家族によって「いないこと」にされていた、つまり家族たちは知人、友人に施設に入っている子供や兄弟の存在を隠してきたのではないか。そうでもなければ、あれほど厳密に匿名が守られている理由がわからない。 一般論としては事件の被害者、災害や事故の被災者は匿名を原則にすべきだと思う。 ただ、それが現実には原則となっていない以上、この事件における匿名の理由は気になるところである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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