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カテゴリ:雑感
昔々NHK人形劇「新八犬伝」を楽しみに見ていたことがある。
で、その主題歌にこんな歌詞があった。 めぐるめぐるまわる因果は糸車 まわるまわるまわる世の中風車~ まあ、記憶違いかもしれないけど、世の中は因果報応、俺には関係ないと思っていたことだって、おもわぬところで関係してくることだってある。 行政官僚のトップにいた元事務次官がひきこもりの息子を殺害したニュースをみながら、こんなことを思った。息子は進学校を出た後、アニメ専門学校、さる私大の建築学部中退、べつの私大の文系学部を出た後、そこの大学院を卒業して、その後は特に就職はせずに、ひきこもり生活をしていたという。大学院重点化政策とやらで、就職を度外視して私立大学にポコポコ大学院を作った。雇用の多様化とやらで、正社員への門がどんどんと狭くなっていった。息子は、いい年で大学院を卒業しても就職は極めて難しく、ゲームに没頭していたが、さすがに40代半ばにもなると、それもむなしくなってきたことだろう。「親父は思い通りの人生だったけど、俺の人生はなんなんだ」と息子は殺害される数日前に号泣したというが、彼と同世代で同じような思いを抱いている人は多いのではないか。彼もまたロスジェネ世代である。 元事務次官は教育政策や雇用政策を扱う官庁ではなかったが、次官会議の場で重要な政策の形成過程はみていたことだろう。俺の息子は不出来だが金にあかせて学歴をつければなんとかなる…なんてそのときには思っていたのかもしれない。 俺は勝ち組だから、俺は能力があるから、貧困問題なんて関係ない。くやしかったら勝ち組になってみろ、稼いでからいってみろ、そんな議論が横行している。 しかし、そうはいっても、世の中はつながっている。多くの人が貧困に苦しむ世の中、多くの人が不満をもっている世の中というものは、結局は自称勝ち組の人々だって不幸にするのではないか。 いつまでも勝ち組だなんて思うなよ 息子娘のことはわからぬ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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