定年間際で退職金がもらえそうな人のところには、よく様々な勧誘の電話がかかってくる。なかでも多いのは不動産の購入の勧誘だ。退職後持ち家に引っ越すことを考えている人だけでなく、老後の収入源として購入した不動産の賃貸収入をあてにする人もいる。けれども賃貸用不動産というのはなかなか難しいところがある。まず、不動産は毎年劣化していき、次第に望むような家賃収入が得にくくなる。また、どうしても不動産には流行りすたりがあり、一時単身者向けの物件で多かったバストイレ洗面が同じ場所にある物件はいまでは人気がないという。あまり臆病になる必要もないが、結局はうまい話はないということである。
その伝でいくと、ジャパンライフの悪徳商法というのはどうもわからない。高額の磁気ネックレスを購入して、それを人に貸して収益を得るというのだが、そんなものをわざわざ借りるという人がいるのだろうか。そんなもので金儲けができるなんて思う方がどうかしているのではないか。ところが、実際には、新規会員の払い込んだ金をもとに前の会員の配当を払っていたため、初期の入会者の中には利益を得た人もいたという。それならそうした人の中には、詐欺の片棒を担ぐというつもりはなくとも、儲けた話を吹聴していた人もいたのではないか。そして損した人のなかにはそうした話を聞いて入会した人もいたのかもしれない。
おいそれと儲け話は信じないつもりでも、他人の儲けた話には人は影響を受けやすい。これからは、そうした儲けた話を聞く時も、ちょっと慎重になる必要があるのかもしれない。マンションを購入し、それを賃貸に出し、賃料収入のなかからローンを払うということをやっていた人がいて、そんな話を聞いたときにはうらやましいと思った。しかし、何年かたってからその顛末を聞くと、結局はうまくゆかず、損する結果になったそうである
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