味くんの家族再生支援日記

昨夜は男ワーク。昨夜は参加が少々少なくて、アットホームな感じに。それでもファシリのテルさんは楽しくワークを進めてくださいました。近況報告の後は、グループを二つに分けて、感情と対照とを図式化するワーク「マインドフラワー2」を。

自分の意識の中にある様々な感情はどういう相手やどういう状況に符合するか、確認してもらおうというもの。腹立たしい気持ちにさせられる相手もいれば、愛おしい感情になったり、楽しい気持ちになったりする、そんな相手もいます。

結局相手に投影される自身の感情ということに過ぎないということに気づいてもらうためのワークのようです。相手のことを悪人だと思い込んで見ると悪人に見えるだけでなく、悪人のような言動をすることになるし、善人だと思えば実際対話する中で善人ぶりも見えてくる。

カウンセリングのいろはに「感情は同時相互的」という理解があります。こちらがポジティブな働きかけをするとポジティブなリアクションが返ってくるけれど、ネガティブな働きかけをするとネガティブな反応で返されることになる、というもの。これは量子論の理解に似たようなものと言えなくもありません。

物質の実態は観測者の態度で決まるというもの。観測者が観測したいものが物質の実態として観測できるというもの。人間の心もまさにこんなもので、相手を善人として対応すれば善人としての振る舞いをするし、悪人と思って対応すれば悪人として振る舞うというもの。

物語として有名なのはレ・ミゼラブルのジャンバルジャン。盗みを働いたけれど、神父が「彼は盗人ではないよ」と警察に突き出すことなく、さらに教会の大切な資産を与えて送り出した。結果彼は、後々とても大いなる善行を行うことになるわけですが・・・

この辺り、親鸞の悪人正機説にも似ています。「善人なおもて往生をとぐいわんや悪人をや」ということ。一見矛盾したようなこれらの言説は人の真実を表してるのではないかと、私は考えるわけです。

しばしば「知らない加害者のお話を聞くのは怖くないですか」とか「被害者支援と加害者支援を同時にやるなんて危険ではありませんか」という声も聞きますが、私は加害者と言われる人たちから危険性を感じたことはほとんどないし、万一ハイリスクな状況になれば、それなりに対応するスキルも知識もあるので、具体的に問題になったことはありません。

むしろ、被害者支援の中で語られる言説が理不尽で、それを言ったら問題起こるやろう、ということが気になります。それはひいては被害者の安全を損ねる可能性さえあります。いくら正論であってもそれは相手のネガティブな感情を引き出すし、そもそもその正論を口にして相手をコントロールしたくなるのは、援助者が不安で、その不安が防衛的な言葉になってるということ。

被害者の安全を確保するには、加害者の怒りを昇華し、怒りが不適切な認知に由来するということに気づいてもらうことや、より心地よい関係を築くための考え方やら行動はどういうものか、それぞれの日常の中で考えてもらうことが大切。DVは犯罪です、相手を傷つけるからやめましょう、なんて言われても、自分も傷ついてるし、被害者の犯罪行為は許されていいのか、ということを感じてたら、無意味な言葉にしかなりません。

とかなんとかで、昨夜は、相手をどうコントロールするか、ではなく、自分の感情をどう理解し、扱うか、そんなことを考えるワークでした。この辺りしっかりしてくると、ヒートアップもしなくなるし、批判や攻撃に対しても逃げたり反撃したりせずに、冷静に対応出来るようになります。じっさい昨夜の参加者の何人もが、最近はヒートしないよねえ、とかパートナーともうまく対話できてるとか、相手の言動に巻き込まれずにいるね、などのことを語ってくださってました。めでたしめでたし・・・




ワークの後のスタッフ飯は冷やし中華に餃子、デサートはバナナチーズケーキでした。

さてさて、今夜は大阪で女と男のワークです。どんな集まりになるのかな・・・ワクワク。

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