土曜のルンバ
予定がコロコロ変わり、何かが継続して行われることの少ないキューバにおいてキューバ国立民族舞踊劇団が毎週開いているサバド・デ・ラ・ルンバ(土曜のルンバ)という催しものは安心して旅行中の予定に組み込めるものの一つだろう。このダンスカンパニーの中庭にて行われる。約2時間の催しで演目内容は週によって異なる。劇団自身の演目披露のときもあるし、ルンバのグループが演奏したり、と様々。なんちゃってファッションショーやラップグループも出演するが、それは余興。そこで披露されるものは、あくまでもフォルクロール(民族舞踊と音楽)だ。ルンバとはキューバ起源の音楽で、ブルーカラーから湧き出たストリートミュージック。 長屋にギューギュー詰めで住んでいた黒人達の間で形成されていったもの。キューバの長屋には必ず中庭がある。その中庭の共有スペースで、近所同士がなにかと寄り集まり、黒人のアイディンティーとも言える歌と太鼓と踊りが、そこに聖水を注ぐが如く彼等の存在価値を見直し、そして再認識させていったのだろう。だが、そこに表現される歌や踊りは悲壮感などとは縁遠く、とてもシンプルで生活に密着した内容、例えば男と女の駆け引きの様子や、長屋での洗濯の風景や、男性の力強さの表現など、とても明快ストレートそしてユーモアも忘れない。あくまでも庶民の音楽。自分も参加することに意義のあるルンバ。わけがわからなくても一緒に皆と踊ってみよう!そこに集まる聴衆は8割ぐらいが地元のキューバ人。約2時間のその日の演目が終了すると、その後は青空ディスコと様変わり。Conjunto Folklorico Nacional de Cuba住所:Calle 4 No.103 entre Calzada y 5ta, Vedado, Ciudad de La Habana15:00~17:00。雨天休演。入場料お一人様5兌換ペソ。