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アルパカ日記

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2006年10月23日
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カテゴリ:時事
写真を貼り替えました10月25日

新潟中越地震から2年経つ
多くの犠牲者の皆様方に改めて哀悼の意を捧げたい。


あの地震で強く印象に残っているのを上げるとすれば、土砂に埋もれた車から

救出された幼い子供と、あの救出現場の映像である。

救出

                     写真はiza![事件の無い日もいいもんだ]より

絶望的な状況下を生き抜いた人間の生命力と、救助を可能にした人間の力。
そのどちらにも驚嘆させられる。

ただ、当時から拭えない一つの違和感がある。

日本人の命に関する感情、死生観というか、それに振り回される立場の人達
の事だ。

余震が収まらぬ中、二次災害の危険性が非常に高いのにも関わらず、
自らの命をものともせず救助にあたったハイパーレスキュー隊員。
彼等の仕事に掛ける並々ならない誇りと情熱。
テレビ越しでさえ強く伝わってきた。

命を賭けてもやり通すべき仕事がある、それが幼い子供の奇跡的な救助に繋がった。

職業に対する強い責任感や義務感、時に自分の生死さえ越えてしまうそれは、試験や訓練で身に付くモノではなく、個人個人が持つ資質に依るところが大きい。

そうした数少ない素質を持つ若者を集め、高い技術力、体力、精神力を備えた人材に育て上げる事の難しさ。

不謹慎を承知で言うと、そうした得難いモノを軽々しく消費して良いのか?
買い物に喩えてみても、これから買おうとする物がその代価として適当かどうか、
人は常に考えて行動するはずだ。

遺族感情から見れば納得できないと言うのはよく解る。
けれど、誰も救助の打ち切りを言い出せないところに強い違和感があり、それが今でも拭い去れない。

生存者救出の朗報に舞い上がり、取り残された他の二人の生存に大きな希望が湧いた。
ただ、実際には二人とも死亡しており、遺体の為に多くの人々の命がかけられた事になる。

母親の遺体が運び出された時、救助本部は救出中止の決定が何故下せなかったのか?
お姉ちゃんの様子を見に行った隊員は生存の可能性があると報告したんだろうか?


幼児救出に沸く対策本部

隊長:
他に生存者は?
隊員:
車の中は土砂で埋まって絶望的です
隊長:
子供が生存していた以上、もう少し捜索してみてくれ
隊員:
運転席に母親発見、残念ながら死亡しているようです
隊長:
二次災害の可能性が強い、遺体の収容が済んだら捜索を打ち切ろう。
隊員:
掘り出しましたが、母親はやはり駄目でした。

本部:
奇跡的な救出に世間が注目している、現場での拙速な判断は避け、本部に指示を仰げ
隊長:
余震が続いて、隊員の命の危険があります。捜索を打ち切って良いでしょうか
本部:
隊員の危険は承知している、しかしまだ小さい子供が残されて居るんだ、そこを何とか頼む。

隊長:
みんな聞いたか、探索を車内に絞って、女児の発見に努めてくれ
隊員:
女の子発見
隊長:
生きているのか?
隊員:
上半身が土砂に埋まり、足しか見えません
隊長:
誰か!生死の確認をしてきてくれ
隊員:
ほとんど絶望的でした、しかし、足先しか見えないので全身を掘り出して見ないと確定できません
隊長:
隊員のみんなをこれ以上危険に晒せない、今日はもう打ち切ろう、本部捜索打ち切りの指令を
本部:
子供の足が見えて居るんだろう?なんとしても掘り出せないか?
隊長:
大きな余震が続いています。コレ以上は無理です。

隊員:
我が家にもちょうどあの子と同じくらいの子供が居ます。遺族の心情を考えると早く出してやるべきです。私が行きます。
隊長:
君がそこまで言うのならもう少し頼む


実際にはどんなやりとりがあったのか解らないし、今更プロジェクトX風にドキュメンタリー番組になったところでしらける。

ただ、現場ではぎりぎり切羽詰まった葛藤があったに違いない。

テレビに映し出される救出劇に感動しながらも、死亡の可能性が高い遭難者に対し、どうして速やかに中止の決定が下せないのか気になっていた。

人命重視と言いながら、貴重なパイロットと高価な飛行機を特攻につぎ込んだ大東亜戦争の過ちを、性懲りもなく繰り返しているようにしか見えない。

遺体の回収は、救急隊員の内でも一握りのエリートしかなれないハイパーレスキュー隊員の命に釣り合う仕事だろうか?

以前、玄倉川で遭難した人達の探索のため、増水した河川で必死の活動をしていた自衛隊員がいた。
生存の可能性が有れば、それに見合った仕事と言えるが、遺体の回収という遺族感情を納得させる為だけにつぎ込まれるマンパワーとお金。

非常に酷な言い方だが、得られる価値とつぎ込まれる労力を冷静に見つめる必要があるはずだ。

捜索中止を命令できる立場にいる者は、冷酷非情の誹りを受けても断固としてそれを行わなければならない。
誰にも同情されることなく、批判だけを一身に受ける辛さは想像だに厳しいが、そのために自らは安全な場に身を置き、部下に命令できるのだ。

我々サービスを受ける国民も、遺族感情と言う価値の計れないモノに、過剰なサービスを要求してはならない。
サービスを行うレスキュー隊員、自衛官、消防官、警官など、彼等の命も大切に他ならないから





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最終更新日  2007年03月25日 09時47分42秒
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