何時行っても埼スタは遠い。
日によって近くなったり遠くなったりはしないから当たり前だがｗ
今回は四谷から乗った。
終点浦和美園まで直通なのはよいが、駅からスタジアムまでたっぷり歩かされる。
画面右端に見えるスタジアムまでひたすら歩く、シャトルバスは大人１００円
だいぶ歩いた
美園駅が見えないくらいまで歩いた。後半分ちょっと。
その横に車両基地がある。
埼スタの屋根も大きく見えてきた。
埼玉高速鉄道の車両基地、コレを臨時駅に改造出来ないか？
ここを過ぎると
スタジアムはもうすぐだ。
車両車庫にプラットフォームを設け、試合開催日のみ臨時に駅として使えない物だろうか？埼玉高速鉄道は延伸計画があると言うが、スタジアム駅を是非作って貰いたいモノだ。
さあ、興奮のるつぼへ
ようこそ
帰りは帰りでうんざりする。
スタジアムからバスで東浦和、武蔵野線で新秋津、徒歩で秋津、西武池袋線で所沢、西武新宿線に乗り換えて・・・
バス、電車、徒歩、電車、電車（最後は自転車）と忙しい上に、乗った武蔵野線は東所沢止まり、カミさんが車で迎えに来てくれる時には関係ないが、夜遅くなればそうは行かない。
新秋津の一駅手前で止めるのは何の嫌がらせだろう。
夜の秋津をぞろぞろ歩いていると、酔ったサラリーマンが赤いレッズファンの群に驚く。
数年前まではそんな現象は無かったはずだから、驚かれるのも無理はない。
秋津の駅では通過電車をやり過ごす。
ＪＲと西武池袋線との乗換駅と言う認識が、両方の鉄道会社に欠如している。
西武鉄道がスキャンダルに揺れ、身売り説が出たとき、ＪＲに吸収された方が良いとさえ思った。
もっとも運賃が倍ぐらい跳ね上がる可能性があるが。
たった一駅乗るだけで所沢、その一駅が侮れない。
所沢でも、来た電車は新所沢止まり、次の電車まで待たされる。
ただ、パスモのおかげで、ストレスが減ったのは良いことだ。
パスの繋がりが悪く、なかなか得点できないヘボいサッカーの試合のようだ。
まあ、そんな苦行を乗り越え、わざわざサッカー場に赴くのは、それを上回る楽しみがあるからだ。
試合の楽しみ方は人それぞれだが、自分の場合は「コレぞプロ」と言う妙技を見たい。
鍛え抜かれた肉体が織りなす技の数々、自分達には到底真似の出来ないそれを見て興奮し、日頃の憂さを忘れ、一喜一憂する。
勝敗が全てと言う人もいるだろうが、強い方が必ず勝つとは言い切れないサッカーでは、寧ろ勝敗はおまけのような気がする。
ファインシュート、ファインセーブ、チャンスと裏腹のピンチ。
どんでん返しが連続するスペクタル映画のように、観客を引き込み、正味９０分の間、日常を忘れることが出来る。
個人の力で、観客を魅了することの出来る選手は特にスーパースターと呼ばれる。
日本人選手で、そうした魔法を掛けることの出来る数少ない一人に、浦和の小野伸二選手が挙がるはずだ。
抜群の技術力、広い視野、一発で形勢を逆転できる通称”ベルベッドパス”。
もしも、この中年アルパカがＪリーグのピッチに１年立ち続けていたら、伸二からのパスで１点くらいは取れるかも知れない。
相手の技量まで読んで繰り出されるパスは、受け手が上手くなったと勘違いさせるほど素晴らしい。
今回対シドニー戦試合前、わざわざ相手監督が名指しで”貶す”なんて、よほど警戒されている証拠だろう。
ゲームの展開は、勝たなくてはならないシドニーが、体力に任せた早く厳しいチェックで浦和の攻撃を押さえ、０対０の引き分けに終わった。
伸二も途中で退いたが、随所に光るプレーは流石だと思い知らされた。
広い視野を持つからこそ出来るサイドチェンジ。
テレビの画面じゃ収まりきれないのは勿論、生で見ていた自分もビックリするほど、味方や相手の動きを把握する力と、そこに正確にパスを送り込む能力。
前半のダイビングボレーは、かつてジーコが自分のベストゴールと言っていた、鹿島時代のそれを彷彿させるモノだった。
後半枠を捉え損ねたシュートにしろ、ボールの回転が少なく、普段使っているアディダスのボールなら、途中でコースを変えゴールインしていたかも知れない。
テレビでなくては判らないプレー、生じゃなきゃ経験できないこと、色々あるから面白い。
テレビ放映を増やせば、スタンドの客足が減ると言って、放映権をスカパー！に売ったバカには理解できない話だ。
ともかく、伸二はサッカーをプレー（遊ぶことが）出来る、数少ない選手と言える。
観客の我々はピッチで遊ぶ選手達にどれくらい同期できるかが、サッカーを楽しむ一つの分かれ目になる。
もっとも今はtotoがあるため、純粋に勝ち負けだけが大事な人も増えているのかも知れない。
そんな目の血走った人達と議論がかみ合わないのは仕方のない事として、話を続けよう。
「ジーコのベストゴールに似せたシュートじゃなかったか」と思うのは見る方の勝手で、そうした妄想を膨らませる事が出来るから、スポーツ観戦は楽しい。
日本的な考え方として、求道者のように脇目もふらず、一心不乱に取り組む姿勢を尊ぶ風潮があるが、見ている方としては肩が凝って仕方ない。
相手にそれを求めるのなら、見ている方も襟を正し、咳き一つたてぬように観戦しなくてはならない。
相撲で品格だの何だのと言うのはそうした考え方がまだまだ主流だからに違いない。
品格の欠片もない観客が、選手に高い品格を求める様は滑稽だが、恥をかなぐり捨てられるネット上では特にその傾向が強く、笑えるくらいだ。
伸二に限らず、俊輔なんかにもバッシングが凄まじい。
大概彼等のプレーを見ることもなく、風評で評価する。
もっともサッカー場に足を運んだとしても、歪んだ視線では見えるモノも見えないと思う。
ただネット上ではそうした意見が主流を占めるので、時々勘違いしてしまう。
悪い噂ほど耳に入りやすいから、多くの人達が心ない中傷に傷つけられ、いつの間にか周りの意見に同調してしまう。
伸二にはそうあって欲しくはない、簡単なプレーでつまらないサッカーに徹するより、自分が楽しいサッカーを貫き通して貰いたい。
高いボールキープ能力は、周りの選手に時間的余裕を与える。
伸二にボールが渡ったら、ＤＦはラインを押し上げるべきだし、ＭＦはドンドン追い越して、ゴール前に殺到して貰いたい。
少し注文を付けるなら、今まで貰っていた位置より、半歩でも一歩でも前の位置でボールを受けられるよう練習してくれ。
そうすれば多くの得点が生まれるはずだ。
とにかく伸二ろ！
昨年のレッズはリーグ最小失点を誇ったが、今年上手く行ってないのはＦＷに原因があると見ている。
ワシントンの神通力が薄れ、相手が高い位置をとれるようになったのが大きいと思っている。
ガンバ戦、スタジアムで観戦していたら、歩く姿が痛々しかった。
あれでは相手守備陣は簡単にオフサイドに掛けることが出来るし、高い位置に放っておいてもリスクが少ない。
こうした精神的余裕は、どっちに転ぶか分からないサッカーでは大きく響いてくる。
ワシントンがＡＣＬシドニー戦で見せた、エンドラインを割るボールをマイボールにしたプレーにはびっくりさせられた。
多分味方もビックリしてフォローが遅れたんでは無いだろうか。
もっそりとしていて実は速いワシントン。
対戦相手のＤＦは次節以降それを計算し、無闇にラインを上げられなくなる。
たったそれだけで守備の負担が軽くなり、失点が少なくなる可能性が高い。
ドローに終わったシドニー戦を酷評する人は多いが、案外レッズが走り出す転換点になる予感がする。
些細な欠点をあげつらってネチネチネットに書き込むより、開放感のあるスタジアムで観戦する方が何倍も素晴らしい。
観客が増え、東所沢止まりが新秋津止まりに変更になり、埼玉高速鉄道の車庫が臨時駅になるよう願ってやまない。
