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第7官界彷徨

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2016.02.26
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カテゴリ:家庭科

 1月は行く。2月は逃げる。3月は去る。もうひな祭りの季節です。

 では、泉鏡花の雛まつりの作品の冒頭をご紹介しませう♪なんのことはない、青空文庫さんのコピペです。泉鏡花は金沢の人らしいので、ちょっと懐かしい気がする。

 

 

雛がたり

泉鏡花




 ひな――女夫雛めおとびなは言うもさらなり。桜雛さくらびな柳雛やなぎびな花菜はななの雛、桃の花雛はなびな、白とと、ゆかりの色の菫雛すみれびなひなには、つくし、鼓草たんぽぽの雛。相合傘あいあいがさ春雨雛はるさめびな小波ささなみ軽くそで浅妻船あさづまぶね調しらべの雛。五人囃子ごにんばやし官女かんじょたち。ただあのちんひきというのだけは形もしなもなくもがな。紙雛かみひいなしまの雛、豆雛まめひいな、いちもんびなと数うるさえ、しおらしく可懐なつかしい。
 黒棚くろだな御廚子みずし三棚みつだなうずたかきは、われら町家ちょうか雛壇ひなだんには打上うちあがり過ぎるであろう。箪笥たんす長持ながもち挟箱はさみばこ金高蒔絵きんたかまきえ銀金具ぎんかなぐ。小指ぐらいな抽斗ひきだしを開けると、中があかいのも美しい。一双いっそう屏風びょうぶの絵は、むら消えの雪の小松に丹頂たんちょうの鶴、雛鶴ひなづる。一つは曲水きょくすい群青ぐんじょうに桃のさかずき絵雪洞えぼんぼり、桃のようなともす。……ちょっと風情ふぜい舞扇まいおおぎ
 白酒しろざけ入れたは、ぎやまんに、柳さくらの透模様すきもよう。さて、おさかなには何よけん、あわび、さだえか、かせよけん、と栄螺さざえはまぐりが唄になり、皿の縁に浮いて出る。白魚しらうおよし、小鯛こだいよし、毛氈もうせんつかわしいのは柳鰈やなぎがれいというのがある。業平蜆なりひらしじみ小町蝦こまちえび飯鮹いいだこも憎からず。どれも小さなほど愛らしく、うつわもいずれ可愛かわいいのほど風情ふぜいがあって、そのたいかれいの並んだところは、雛壇の奥さながら、竜宮をるおもい。
 (もしもし何処どこで見た雛なんですえ。)
 いや、実際むつ七歳ななつぐらいの時に覚えている。母親の雛を思うと、遥かに竜宮の、幻のような気がしてならぬ。
 ふるさとも、山の彼方かなたに遠い。
 いずれ、金目かねめのものではあるまいけれども、紅糸べにいとで底をゆわえた手遊おもちゃ猪口ちょくや、金米糖こんぺいとうつぼ一つも、馬でき、駕籠かごかかえて、長い旅路を江戸から持って行ったと思えば、千代紙ちよがみの小箱に入った南京砂なんきんずなも、雛の前では紅玉こうぎょくである、緑珠りょくしゅである、みな敷妙しきたえたまである。
 北の国の三月は、まだ雪が消えないから、節句は四月にしたらしい。冬籠ふゆごもりの窓がいて、のきひさしの雪がこいがれると、北風に轟々ごうごう鳴通なりとおした荒海の浪のひびきも、春風の音にかわって、梅、桜、椿つばき山吹やまぶき、桃もすもも一斉いちどきに開いて、女たちのまゆ、唇、裾八口すそやつくちの色もみな花のように、はらりと咲く。羽子はご手鞠てまりもこの頃から。で、追羽子おいはごの音、手鞠の音、唄の声々こえごえ
……ついておといて、裁形たちかた袖形そでかた御手おんてに、ちょうや……花。……
 かかる折から、柳、桜、緋桃ひもも小路こみちを、うららかな日にそっと通る、とかすみいろど日光ひざしうちに、何処どこともなく雛の影、人形の影が※(「彳+尚」、第3水準1-84-33)※(「彳+羊」、第3水準1-84-32)さまよう、……
 朧夜おぼろよにはくれないそで萌黄もえぎが、色に出て遊ぶであろう。
 ――もうお雛様がお急ぎ。(以下略)

 ☆雪深い北陸の、春を待つ思い。






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最終更新日  2016.02.26 16:50:08
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