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非常に周囲の評判がいいので、公開のときには観てなかったんだけど、チネチッタでの毎日映画コンクール受賞記念上映に当選したので観てきました。 観たのはだいぶん前なんだけど、診断士の実務補習があって大変だったのでようやく感想書けます。 イーストウッド監督といえば硫黄島2部作を思い出しますが、あらためて調べてみると、たくさんの映画に出演して監督もしてるんですね。一時代を築いた映画人です。 この作品では、イーストウッド監督本人が気難しい頑固な老人ウォルトを演じています。冒頭の長年連れ添った妻を亡くした葬儀のシーンは、最後にウォルト本人の葬儀シーンと重ねられて、映画的な構成の面白さが垣間見えます。 息子や孫からも疎んじられるウォルトは、神学校を出たての若造の神父にはファーストネームで呼ぶことを許さず、隣人のモン族一家には「うちの芝生には入るな」と銃を構えて威嚇するほど頑固爺なんだけど。 隣人の少年タオは、不良の仲間からウォルトのグラン・トリノ(往年の名アメ車)を盗んでくるよう言われるが、あっさりとウォルトに気づかれ失敗に終わる。タオの姉スーがチンピラに絡まれているところを助けたり、タオが盗みに入ったお詫びとして家の手伝いなどをしたり、一家のバーベキューに参加したりして、次第に隣人一家と交流するようになったウォルトは、タオに仕事を世話して可愛がる。 しかし、タオは一族の不良と縁が切れなくて嫌がらせを受け続けている。ウォルトが不良の一人を殴ってしまったものだから、不良たちはヒートアップしてスーを暴行し、タオの家を銃撃する。復讐を誓うウォルトは最後の戦いに挑む。。。 確かに皆が絶賛するのがよくわかるいい映画でした。ただ私は映画の本筋とはちょっと外れたアメリカの銃社会や人種差別なんかを見て取ってしまうわけで、朝鮮戦争の思い出を語られても、どうなのよ、という感じです。 銃社会が悪だという明確なメッセージはアメリカでは出せないのだろうけど、銃社会をニュートラルに描いているのが、イーストウッドの姿勢としてはどうなのよ、と問いたくなります。ウォルトが銃を持っていることでスーを救い出すシーンからも、銃には肯定的なのでしょうか。少なくとも否定的には捉えていないようで、そこが銃が当たり前でない日本人の自分との感覚の違いかなあと。 あと、あれだけ隣人をイエロー呼ばわりして、朝鮮戦争の苦い思い出がある頑固爺が、バーベキューでそんなに変わるものかなあ、という疑問もありつつ、これはイーストウッドなりのメッセージかもしれない、と思ってみたり。 最後も自分だけ散り際をかっこよくして、彼らが出所してきたときにタオとスーはどうなるのかと疑問は残るものの、そのころにはタオも一人立ちしているというこでしょうか。 いずれにせよ、俳優イーストウッドの引退はもったいないと思います。 公式サイトはこちら。 2/8 チネチッタ川崎 毎日映画コンクール グラン・トリノ [DVD] 3月下旬から渋谷シネマライズで公開! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.02.22 21:31:17
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