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本の虫の読書ノート

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2023.04.25
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カテゴリ:小説
この小説は「読売文学賞」受賞のベストセラーで、映画化もされた話題作です。



文房具屋の一人娘・里枝は、離婚して男の子を連れて実家に戻っていた。
店番をするうち、林業に携わっている谷口大祐と顔なじみになる。

彼は寡黙で、大人しい男だが素性がよくわからなかった。
しかし、生真面目に働く彼は、職場の人々に信頼されていた。

二人はやがて結婚して、血が繋がらない長男からも慕われ、
長女「はな」も生まれて、家族はしあわせに暮らしていた。

しかし、夫は事故であっけなく命を落としてしまった。

悲しみに暮れる中、里枝は大祐の死を彼の兄に知らせようと思った。
彼には兄がいるが、事業の跡継ぎ問題で反目して家を出たと聞いていた。

弟の死の連絡を受けた兄がやって来たが、写真を見て弟ではないという。
では、夫だった「谷口大祐」とは誰だったのか?

「愛にとって過去とは何か?」というというのがこの作品のテーマのようだけど、
在日や犯罪者の親を持つ子供の生きるための哀しいほどの嘘が背景にあった。

在日3世の弁護士が里枝に依頼されて、谷口姓を名乗る男は誰だったのか?
もしかして、彼も在日だったのか?と自らの出自を織り交ぜた濃い内容です。

一人の男が持つ暗い過去には同情も感じ、生きるための嘘が胸を打ちます。

ある男 (文春文庫) [ 平野 啓一郎 ]





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Last updated  2023.04.25 05:59:45
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