テーマ:本のある暮らし(3285)
カテゴリ:曽野綾子
すると、悩んでクヨクヨ考えていたのが、馬鹿らしくなってくる。 長く生きていると、自分の命の終わりがいつになるのか?という不安が 常に心の隅にあって、考えないようにしていても頭を持ち上げる。 親しくしていた友人が亡くなっていくのは、寂しさを通り越して虚しくなる。 もちろん、両親はもとより、弟妹の方が先に亡くなるということもある。 そして、夫や自らの老いについて考えてしまい、心細さに眠れない夜もある。 そんな時、「長生きしたいわけではないけれど。」の中に書かれた言葉にハッとした。 これは、旧約聖書の伝書の中の「すべてのものに時期がある」という一節です。 天が下のすべての事には季節があり、すべてのわざには時がある 生まれるに時があり、死ぬに時があり 植えるのに時があり、植えたものを抜くに時があり 殺すのに時があり、いやすに時があり こわすに時があり、建てるのに時があり 泣くに時があり、笑うのに時があり …この後も続くのですが、一人の人間がどうあがいても「すべてに時期がある」なら、 自分の悩み・嘆きなど小さなものだと、そん気持ちにさせられる言葉でした。 本には毒になるものもあるけれど、こうした心に響く言葉と出会う喜びがあり、 曽野綾子さんの書いたものには、ねばならぬという強制がないから好きです。 【中古】長生きしたいわけではないけれど。 /ポプラ社/曽野綾子(単行本) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.04.28 08:32:26
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