カテゴリ:健康
しばらく、ワクチンの話題を記事にしましたが、少し視点を変えて、皮膚の話を。
とは言え、予防接種は、生ワクチンを飲むタイプもありますが、殆どは、皮膚注射です。皮膚の話もヒントになります。 腸は第二の脳と呼ばれているが、皮膚は第三の脳といわれます。 そもそも皮膚の役割とは1つが生命を維持するための「防御機能」、もう1つが環境の変化を感知する「感覚機能」です。「防御機能」は体液の流出を防ぎ、体外からの異物侵入を防いでいる。また「感覚機能」は、周囲に起こった現象を知らせる機能で、皮膚には、温かいとか痛いといった感覚をキャッチする神経が備わっているが、これらの「五感」に加えて「心地よさ」「気持ちの悪さ」「怖さ」などの感覚も実は肌で感じています。例えば「温泉に入ると、気持ちがよい」とか「触ってみたら気持ち悪かった」という感覚は、「皮膚が感じた感情」と言えます。 こうして考えると、「鳥肌が立つ」「身の毛がよだつ」「温かい人、冷たい人」「肌が合う、肌が合わない」 など、皮膚感覚で感じた取った現象を表わした言葉が意外に多いですね。皮膚は、目には見えない情報を受け取る感覚に優れていて、感情のアンテナのような役割を果たしているのですね。 皮膚は両生類や爬虫類にも存在しますが、哺乳類の特徴は感覚性の神経端末が皮膚にまで達していることらしいです。 以上の事実より、とりわけ哺乳類は皮膚と脳が共進化していると考えられます。それは、授乳等による母子間の密着(親和)を要因としているのでしょう。スキンシップやグルーミング(毛づくろい)によって脳内のオキシトシン分泌が活性化されることが確認されています。 るいネットさんより、2つの記事を紹介します。 「皮膚は自分で考えて指令を出している」という記事を紹介します。 生物史としてみると、眼や脳ができるより以前は、皮膚がすべての状況をキャッチし、どうする?を決めていたに違いありません。 そしてその原型は現在の私たちにも現在形で作動している。 さらに、同類をプラスとして感じる機能を発達させた哺乳類は、オキシトシンなどのホルモン物質によって、同類他者と触れ合う皮膚のプラス感覚を高めてきた事がわかります。 「sereine」 https://f-sereine.com/heart-is-in-the-skin/ より引用 ~前略~ ●皮膚と脳は兄弟 受精卵は、三つに別れています。 内胚葉・・・内臓になります。 中胚葉・・・筋肉と骨になります。 外胚葉・・・皮膚と脳になります。 おおざっぱに別けると、こうなります。 お気づきですか?皮膚と脳は元々同じです。皮膚の高機能がなんとなく説明つきます。 脳が無い生物もたくさん居ます。 でも、彼らは、居心地の良さを感じています。 その役割は、皮膚がしています。 皮膚は、第二の脳とか第三の脳と言われます。 脳では、インプットされた情報で高度な判断をします。皮膚は、直観的に、指令が無くても判断しています。 なにか有害なものが付着してかぶれるのも脳が指示している訳じゃないですよね。 外界との防御ラインですから指示待ちだと大変。皮膚が勝手に様々な仕事をしています。 皮膚は、自分で考えているんですね! いえ、考えているのではなく、直観的なものです。うまく言えないけど理屈抜きの動きです。 ただ、自律神経でコントロールされる内臓系とは、ちょっと違います。 内臓は、自分の意志で動かせませんよね。 自分の意志で動かせるのは脳脊髄神経です。 手足を動かしたり、痛みを感じたり。 痛みって、コントロールできるんですね。 カッターで指を切っちゃったとき、目で見てから痛みを感じたことないですか。大怪我をすると、一瞬痛みを感じなかったり、同時に複数のダメージがあると、わからなかったり。 脳の判断って、案外大雑把なんですね。 脳判断は、危険に対して知識の差が明暗を別けますが、肌感覚(皮膚)は、本能的に本人の意思と関係なく正確な判断をしています。 ●皮膚は、もう一つの司令塔. 皮膚は、ダメージに対して自主的に復旧作業をします。脳で判断する前に、なんらかの反応をします。 痛みを和らげるホルモンを出したり、逆に痛みで危険性を伝えたり。 外的ダメージだけでなく、ストレスを受けるとコルチゾールを出して、これが炎症やアレルギー反応を起こします。 「この人疲れてるで。ほなアトピー出すで。」 と、皮膚は脳にアピールをしたりするんですね。 (注:わかりやすく擬人化しました) 鈍い?脳へ、即断即決で行動で示す。 脳で判断できない人へも分かりやすく教える。 寒い、暑い、痒いだけでなく、なんか嫌な感じとか・・・なにか危険を感じるとゾッとするのもそうですね。 ありませんか「あれっ、なんで鳥肌が・・・」というやつ。 何に反応しているのかは、わかりません。 でも、なんとなく嫌な感じ危険を察している。 理性的な脳の苦手な分野を、皮膚が補っているんですね。 ●「身体で覚える」とは? 頭で分かっているのに動けない。出来ない。 よくあることです。 脳は、高度な処理をする一方、ネガティブな作用もします。また創造力は、感性の部類ですから知識だけじゃムリです。 お勉強は出来るのに、仕事ができないのもそれですね。インプットが多くても、アウトプットは別物ですね。余談ですが、知識より経験。 そして感性が重要ですね。 逆に身体に覚えこませろ!というのがありますよね。 反復して経験を積ませることで、身体に条件反射で出来る様に仕込みます。 職人の世界の多くは、そうですね。 こうした場面では「頭で考えさせない」考えている暇あったら身体動かせ!です。 「お前、スジがいいな」と、褒められるのは肌感覚が優れているという事です。 やはり、個人差はあります。 職人は、最新の機械でも出せない精度を、指先でやっちゃう。機械では計測不能なコンマ何ミリを判別できる。まさに「肌感覚」です。 これは、筋肉じゃないですよね。皮膚です。 皮膚の緻密なセンサーが学習?しちゃっている。 しかも経験を積むたびにアップグレードして精度を高めます。 皮膚感覚には、脳よりも優れている すばらしい「感性」があります。 もしかすると、エキスパートなことには、脳より皮膚の方が上手なのかもしれません。 最後に「心」について考えてみます。 心が病む。心が休まる。こうした感覚は、どこで感じるのか。脳内にも、様々な反応があります。なんとか波とか・・・ホルモン物質もあります。 じゃあ、脳に心があるんじゃないか? 五感を遮断されると「心」は、離れてしまいます。ということは、心は、どこに行っちゃうのでしょう。 そうすると、脳は定位置では、ないですね。 実は、皮膚は脳以上に「心」と密接です。 ストレスが肌に影響あるのは、経験上ご存知ですよね。 そして皮膚は、繊細なセンサー。 心地よさの受信は、皮膚によるものが大半です スキンシップの効能は、そういうことです。 逆に居心地の悪さも、そうです。 頭で考える前に、様々なものを人は感じています。 皮膚は、その人間の個性を包み込む入れ物。 皮膚が、その人らしさを形成しているともいえます。 ~中略~ 脳よりも感覚的には「皮膚」が自分を保ってる気がします。 「心」の場所。それは正直よくわかりません。 それ自体の存在すら誰も説明できないのですから。強いて言うなら、個性を形作る皮膚という衣の中にある。 そんな感じではないでしょうか。 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・ 感じる皮膚・考える皮膚 http://www.abiroh.com/jp/body-earth/181.html より ■表皮の多彩な機能 皮膚のいちばん外層は、常に入れ替わって角層、垢になります。 ケラチノサイトという表皮細胞が作る角層は、水を通さないバリアであり、一般のイメージでも、皮膚の役割は体液が漏れ出さないようにするというものでしょう。このケラチノサイトを研究しているうちに、温度や圧力をはじめ色、光、そして音までも、表皮が感じているらしいことがわかってきました。神経は表皮の途中まで来ていますが、それ自体はあまりものを感じていないのかも知れません。まず表皮のケラチノサイトが感じて、信号を神経に伝えている可能性があります。 脳の中には、興奮と抑制を誘導するさまざまな受容体があります。利根川進さんは、NMDA受容体が海馬において記憶や学習に重要な役割を果たしていることを発見されましたが、これがなぜか表皮にもある。また、脳はからだ全体を統合するために様々なホルモンなどを出しています。表皮は、これらのホルモンなどもつくっています。つまり、表皮には受容体、センサとしての役割があるとともに、全身に向けてシグナルを発しているわけです。人の高次構造、社会構造などに影響を及ぼすオキシトシンも表皮にあります。そういう情動や全身の状態に作用するような物質を表皮が出している。しかも、いまのところ何をしているのかはわかっていないのですが、脳において高次の学習機能などに寄与しているデヴァイスまであります。 ■相互作用する感覚 視覚情報や聴覚情報は言語化できるため、それについて語ったりすることが比較的容易ですが、触覚情報や嗅覚情報は、メタファーやアナロジーによらないと説明しにくい。ただ嗅覚については、最近では受容システムもある程度わかってきています。皮膚感覚は50年前の教科書をまだ使っているという状況で、痛点とか圧点とかいっても、それらと神経末端との関連さえまだわかっていません。 皮膚感覚はまた、言語をはじめ他の情報の影響を受けやすい。たとえば誰かに触られたとき、その摩擦係数や温度や圧力が同じであっても、誰に触られたかによって心の動きはまったく異なります。逆に、皮膚感覚が他の感覚に作用するということもわかってきました。たとえば聴覚に皮膚感覚が関与している例があります。「ブッ」という音と「プッ」という音を聴かせ、同時に手首などに音圧を吹き付ける実験では、「ブッ」という音を聞かせながら手首に「プッ」という音の空気を打ち込むと、「ブッ」ではなく「プッ」と認識するといいます。 (中略) 殺気や気配も、何かが後ろから飛んできたり、後ろで刀を振りかぶられたりしたときに、高周波が生じているということなのかもしれません。電磁波も気配の有力候補です。少し動くだけで電場の変化が起きて、2メートルくらい先まで届きます。ただし、われわれに受信する機能があるかどうかは、また別の話です。気配ということでは、匂いにも可能性があります。アルファ波が出る香料や、逆に覚醒するような香料がある。リラックスするのが薔薇系で、高揚させるのがジャスミン系ですが、それらの抽出物質を嗅いでも、匂いとして特別な傾向は感じません。それでも情動に作用する。ある疾患の人が、独特の匂いを発しているという話もありますから、殺意を抱いている人がある種の匂いを出している可能性もあります。そんな目に見えない、耳に聴こえないファクターを、嗅覚や皮膚感覚の中で探していけば、殺気や気配をある程度解明できるかもしれません。 ■ペンだこと経路 表皮には記憶も学習もあります。皮膚の角層のバリアを剥がすと自動的に治癒しますが、サランラップで覆うと治らない。水蒸気を通すゴアテックスのようなものだと治癒します。表皮は、蒸散する水分量をモニターしながら状態を保っている。そういう意味では、正常な状態の記憶があるといえます。 ペンだこのような「胼胝(たこ)」も不思議です。1回こすっただけでは胼胝にはなりませんが、何十回何百回こすると角層が分厚くなる。積分的な情報を判断しているわけです。何回こすられたかということを記憶していないと、そのような変化は起きません。 胼胝も、環境に応じて丈夫になるということで、学習によるものといえるかもしれません。また乾燥環境下に皮膚をさらすと、最初のうちは皮膚が少し敏感になる。つまり炎症を起こしやすくなったりする。ところがそのうちに角層が厚くなり、乾燥に対する耐性も強くなります。環境からの入力に対して、自身の形を変えるというのも、一種の学習機能でしょう。 新生児から幼児までの皮膚は、とくに学習する皮膚です。アフォーダンス(環境が動物に対して与える「意味」のこと)を獲得するために、ものにさわったりなめたりして、それを目で見て、世界というものの形を認識している。コミュニケーションや社会性の学習にも、皮膚は深くかかわっている。動物実験では、親との皮膚接触を断って新生児をミルクだけで育てると、後生的に脳の構造に遺伝子的な変化が出てきます。 哺乳類では、類人猿だけ顔面に毛がありません。しかも顔の皮膚は、他の部分に比べていちばん弱く、常時肌荒れを起こしているような状態です。皮膚感覚を敏感にする方向で、進化が起きたのではないでしょうか。ヒトはさらにほとんどの体表面から毛を失っています。しかも服も常時着ているわけではなく、自分でその環境を選んでいる。そんな選択肢を増やしたというところにも、何か意味があるのかもしれません。 東洋医学における経穴や経絡といったものが存在するのは、全日本鍼灸学会の前会長である矢野忠さんの実験でも確認されています。ある経絡に沿って、一定の臓器に同じ影響を及ぼすツボが並んでいますが、たとえば胆嚢が収縮する経絡があるとします。超音波によって胆嚢を観察しながら針を打つと、入力点の連なりが存在することがわかります。ただしそこには解剖学的には何もありません。表皮と神経や血管などとのインタラクション(相互作用)で、情報の見えない流れのパターンのようなものが形成されるのではないかと思います。 (引用終わり) 如何でしたか? 皮膚は、感じる、そして考えていたんですね。 脳と腸と皮膚。美容をしてる上でも、とても関連があると感じてます。 実は腸も、脳からの指令ではなく独自に動いてるという事らしいです。 それについては、またの機会に。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年12月18日 12時16分11秒
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