古民家鑑定士、古民家をゆくー。
初の古民家体験ですー、あ、でも超怖かった、一人じゃ無理展示されている改修後の古民家はいくらでも見学したことがありますが・・バリバリ現役の古民家を見るのは初めて。今回は鑑定というよりは現場見学という感じで参加。古民家鑑定協会埼玉支部の4月例会にて。群馬県は太田市の物件です。埼玉の熊谷駅からも車で20分ほどの近郊田園地帯。おー、三方を防風林で囲まれ、なかなか良い感じの古民家ですねー。んん?屋根が一部崩れているのは、昨年の地震のせいかしら。玄関を入るとお約束!の広い土間です。正面に、魅力的な太い梁がでーんとお出迎え。「いいかも!」と、鑑定士の立場を忘れ、一古民家ファンに成り下がり?はしゃぐ子供店長持ち主のおじいちゃんも立ち合ってくれていて、「その梁は名前がついているんじゃ。」「ええっ?!どんな名前ですか?」(内心、そんな銘木なんだぁと納得する子供店長)「ふふ、それはな、見栄っ張りというんじゃー」なーんて感じで持ち主さんとすっかり仲良しになり、いろいろ質問攻め。4年前まで住んでいたそう。ということは空き家になって4年ということですね。道理で、土間に面した1階の和室4部屋はなかなかこぎれいですぐにでも住めそう・・・と思ったのが大間違い!!開かずの扉をあけると・・・どひゃ~、怖い。何故か洗濯物もそのままに(爆)北側の部屋は、壁も落ち、雨がどしゃどしゃ内部に入り込み腐りが進行中でも魅力的なものもちゃんと残っています。こちら↓玄関は木製のガラスの扉ですが、夜は写真のように大戸(雨戸みたいなもの)を閉めます。で、夜誰かがたずねて来ると・・大戸についた小さなくぐり戸を開けて「こんばんは」イマドキ、この大戸が残っている古民家はかなり珍しいそうです。これは残したいよねー。時代劇の主人公みたいこのお宅は二階建てでした。延べ100坪の大きな農家。う、怖いけど、2階も見てみよー。急な箱階段を上っていきます。大丈夫ですよね?!床が抜けたりしないですよね・・んー、ほとんど物置状態です。おおーっ!!お宝発見!!そうなんです・・古民家を購入したら納屋や蔵に所蔵してあるお宝がもれなくついてくるんじゃないか!って、実は期待しているんです(爆)骨董品級のお皿とか、掛け軸とか、火鉢とか・・・今回のお宝はこちら↓足踏みのミシンですー。洋裁好きにはたまりません。欲しいー「欲しいなら持ってっていいよー」って言われても・・タジタジ。重いし・・掃除して使う勇気ない・・うーん、こんなことじゃ古民家暮らしは実現できないぞそんなこんなで楽しく見学例会終了。今回は古材を扱う材木屋さん、解体業者、工務店さん、そして設計の私。うーん、ベストメンバーですね。「この古民家買うなら、2階は要らないので、2階だけ解体したらザックリいくら?」なんて会話が普通に成立しちゃうんです。「ま、300万円ってとこかな」例会終了後は、カフェでミーティング。今回の古民家の保存レベルは中程度だそう。屋根を架け替え、土台の腐ったところを交換し、ゆがみを直せば再生も可能そうです。但、家は人が住まないと急速に痛みが進みますので、あと2年もこのままの状態が続けばもう再生ができない程度まで腐りが進むだろう、とのこと。誰か欲しい人いらっしゃいます~?!買うなら・・・・今が旬です(爆)☆☆☆~☆アトリエ3C+U建築設計事務所代表 岡部千里