テーマ:障害児と生きる日常(4431)
カテゴリ:最近のことの日記
昨年度のうちに、年賀状やSNSやメールで実にたくさんの方に報告したつもりだが、Sはこの春、特別支援学校の高等部を卒業した。
その節は、自分のフェイスブックでかつてないほどの、たくさんの「いいね」やメッセージをありがとうございました。 みなさんの私への関心は、音楽よりも教育よりも、子育ての方か!…というのがよくわかる結果に苦笑い。こっち(子育て)も、そう成果は上がっていませんが(笑) 行くようになった作業所は、A型とかB型就労支援の人はいない所で、「生活介護」の人たちだけで、作業としては大変ゆるい…というかのんびり過ごす場所。「できれば本人がつくったものが販売などされて世の中とつながっていたい」という願いがあったのだが、そういう受注生産はないけど、一部の人のビーズ作品等はなつまつり等で販売されているので、のちのちバリバリ仕事するようなことがあれば道はあるだろう…ということで納得して決めた。 もともと10年くらいたつ主に成人自閉症者の入所施設で、生活と仕事を切り離すということで、作業棟を少し離れたところに新築し、通える人はそちらに行き、今までどおりがいい人は生活棟で過ごすこととなり、その分の空きを、通所で地元の人の生活介護に…ということらしい。 なので、施設としても通所者第1号となり、とてもていねいに対応してもらっている。 本人も大体の日はのんびりゆったり過ごせて、最初から不適応はなかった。(が、慣れてきてからの方がいろいろやらかしてくれている) 午前は、作業(紙ちぎりやビーズ通し)・歩行・音楽・プール…などのメニューがあるが、本人はもっぱら大好きな紙ちぎり。だけどいつも終わったら床にばらまいて、それを集める…らしい。 お昼は入所施設でつくった食事が運ばれてくる。日によって食べたり食べなかったりもあるが、どのメニューを食べてどれを残したか…マメにデータを取ってくれている。今まで家でも学校でも「おかわり」をすることで、コミュニケーション手段の確立や精神安定を図ってきたので、本人は当然あるつもりでそれをするのだが、(やむを得ず職員さんが鶏肉半分とかをくれていたらしい)本当はおかわりはないので、慣れてきた最近は、「おかわり」要求を断られて、そのことで急に怒ったりもあった。 (>_<) もちろん、今までの指導がいけないわけではないし、かといってうちの子だけたくさん食べさせてとも言えず…というところで、「最初から揚げ物とかは半分にして出しておかわり要求の後に残りの半分を出します」と一人前は変わらないまま対応してくれるアイデアを出してくれて、今の所、それはうまく行っているようだ。 副作用で食べすぎる薬…はもう変えて4カ月たつのだが…たくさん食べることが習慣になったままで家でも変わらず…で、相変わらずの丸っこい人である。 昼の歯磨きは、横になってひとりひとりていねいにしてもらう。歯科衛生士の巡回指導もあり、うちのかかりつけ歯科医が「あそこの入所者さんは定期検診や治療に来るけど、すばらしいメンテナンスなんです」というほどである。 食後は「スヌーズレン」の部屋でゆったり。クールダウンの場所やゆったり過ごす場所として職員がアイデアを出し合ってつくった、水と光のきれいな、そしてウォーターベッドもある自閉っ子大好きそうな部屋である。 が、年配の利用者さんは今まで入りたがらず、Sが実習の時にいきなり入ってくつろいだことでみなさん大変喜んだとのこと(笑) こっちは好きなものがたくさんで勝手に入ってくつろいだだけなのに…。 で、今もマイルームのような独占状態。最近他の方も少し使い始め、仲良くゴロゴロしているらしい。オジサンの横に優しく添い寝した(爆)とのこと。 午後の作業の時間になると、呼びかけに応じて続きをやる…日々だったのだが、最近は午後荒れている日が多く、そのまま部屋にいたり、大声を出して廊下を走ったり、スヌーズレンの壁をけったり…。 実は毎日同じ作業メニューではなくて、早いうちに何曜日は何…と確立して、そのためには一通り早くやってみて(歩行やプールや短期入所)というのが親の考えで、一度にメニューを作って、最初は荒れてもそれに慣らさせていく…のだと思って、他も早くやらせてみてほしいと希望を出していた。 また、「短期入所もどうぞ」と施設長さんに言われたので、もう毎週決めた曜日に行く気で(これは市からの支給量も日数が足らなくて無理だと後からわかったが)それを組み込んでもらうつもりだった。 「いつまでも他をやらないなあ…」と思っていたら、施設長さんに「お話が…」と呼び止められて、「もうすこしのんびりやりましょうよ、特別何か急ぐご事情がなければ…」と言われた。入所者の中にも、最初は大暴れだった人が、やっと落ち着くことが見つかり、そればかりをやっていて、数年後にある日急に歩行に出たがってはじめた人もいますよ…と。そういう話の中に、「ここで長い期間ずっといるんだから、そうあせらずに、長いスパンで見ましょうよ」と向こうが覚悟をしてくれているようなので(笑)、落ち着かなくても追い出されるわけじゃないなら…まかせよう…と思った。 考えてみたら、学校は自分も含めて、少なくとも「1年間」で見える成果を出そうという組織だった。長期間の視点ももちろん必要だが、3年間無理だったけど急にできた…ような積み重ねはその間の担任のお手柄にはならない世界だ。だから最初に今年度やりたい姿の「のぞましいルーティン」をつくって、それに当てはめよう…それまではしばらく暴れるかも…と今回も教員感覚では普通に考えていた。 ちょうど、いつも学校では金曜日の午後持って帰っていた上履きを、汚れた週の月曜日の朝に交換しようとしたら想像以上の大暴れ(泣) それでも古い方の上履きを玄関の外に投げ捨てて強行する父の姿(ちょうどヤンキーに毅然とした態度取らざるを得ない時のような三角の目)を数人の職員に見られた(爆)その翌日だったので、こちらも「何もその日じゃなくてもよかったし、本人に『そうだね、本当は違うね。でも今度から変わるよ。』」とか声をかけるべきだったな」と反省した後だったので、そこは素直にイエス。=^_^= 正直、全面的に納得…ってほどではまだないかもしれないのだが(笑)、ここは「自分の知らない福祉の世界」なのだから、まずは大きくゆったり構えてみよう…と思っての後半2週間だった。 が、相変わらず本人は、毎日シャツを1枚やぶって、ニコニコして「バツ出し」を求めているようだし(もったいないので学校で使っていたけど私服で使わない服を着せるのだが、それがわかってやっているのかも)、夜中に家で急に大声を出したり、目を三角にして怒って父(睡眠中)をおそう(人の口に手を入れようとする)こともあるし、最近は午後向こうでも落ち着かないし…Sの場合はいろいろ違う毎日の方がいいのかも…と思いつつも、そういうこともふくめてあまり施設にいるその時間のことを私は気にせずに過ごせている。 施設のお迎えは3時半まで…としてもらったが、現実には入所のみんなは2時半ころから引き揚げ始め、ケアホーム(同系列)からの人たちも3時には退出。5時間目の授業を終えて駆けつける3時10分ごろには完全にSひとりとお掃除中の職員さん2名…である。 が、本人は帰り支度などしてなくて、スヌーズレンで横になっている(笑) のだが、ここからの動きはヘルパーさんにお願いした手順書を引用 1 お迎えに車で到着。前回と同じような奥目の場所に他の車が出られるように駐車。 2 玄関開いているのでそこから「こんにちはーお迎えです」と声だけ一応かけて入室。スリッパ、Sの下駄箱の上段に私のスリッパがあるのでよかったら使ってください。施設のスリッパが見つかりにくいので…。 3 そのまま進むと左手にスヌーズレンがあり、たいていはそこで待っています。電気をつけて、終わりと声をかけて、ベッドから降ろす(足だけ降ろすとその後は自分で…ウォーターベッドなので無理に降ろすのは難しいです)と、自分で他のスイッチも消します(スライド投影は電源が難しいのでそのままで)。 4 部屋に戻ると自席の連絡帳をもってカバンに入れて、帽子をかぶりジャンバーを着て、「帰るそぶり」を見せつつ、自席に座りウォークマンを聴きはじめます。実習中は昼休みに聴いていたのですが、今は聴かないのでなぜかこのタイミングで5分くらい。自分で再生できます。1曲目のユーミンの「ひこうき雲」をなぜかノリノリで横に揺れて聴いて、2曲目に入ると自分で渡して終わりにします(しない時は終わらせてください。) 5 ウォークマンをカバンにしまってやっと帰ります。職員さんにあいさつをして外へ。上履きは置いていってください。玄関出て曲がったところで、靴をちゃんと履きます。右の道路側に出て歩いて帰ろうとするところを、左側の車に誘導してください。(今週はここで少し暴れましたがたぶんもう大丈夫) 6 プールへ ここではいつも通りかと思います。 7 自宅に着いたら、車を降りて、離れの部屋(ここで月~木はトレーニングをしたり音楽を聴いたりしています)に入ろうとしますが鍵もかかっていますので、自宅に行くように促してください。(ここで今週は怒って葉っぱを大量にむしり、ガラスに向かいましたが現在あの左側のガラスはすでに割れない素材…ポリカーボネイトなのでご安心ください) 引用終わり 平日の話はその3へ続く 自閉症児の指導法/野村東助【2500円以上送料無料】 【新品】【本】スウェーデンのスヌーズレン 世界で活用されている障害者や高齢者のための環境設定法 河本佳子/著 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017/05/02 07:07:25 AM
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