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テーマ:昆虫写真(160)
カテゴリ:季節
6月5日(火) 早朝には、南中に下弦の弓張り月が出ていましたが、 次第に雲が広がってきてしまいました。 まだ梅雨前線は南に下がったまま。 今週はまだ踏みとどまりそうなのでしょうか。 今日の日記の主役はこの子ですよ。 これまた、カノコガと同様一見して何なのか良く分からない外見です。 こんな昆虫を見つけては写真を撮るのも、なかなか面白いですなぁ。 かなりおどろおどろしい外見です。 特に、お顔とお尻の形状が特徴的。 翅の雰囲気から双翅目(アブやハエ)の仲間から探索を開始しますが見当たらず。 なかなか難易度が高いです。 探索範囲を広げて、 「昆虫 翅 白 斑紋」のキーワードで検索エンジンにかけます。 そこで引っ掛ってきたのが「シリアゲムシ」という昆虫群です。 シリアゲムシは、シリアゲムシ目(長翅目)シリアゲムシ科の昆虫。 ところで、シリアゲムシなんて名前を聞いたことすらないですね。 それは親爺が無知なだけかもしれませんが・・・。 知っている人多いのかなぁ。 決してそうは思えません。 その中でも、この子はヤマトシリアゲという種のようです。 お顔の中でも口吻が非常に長い。 そしてお尻はツンと上を向いている。 何となく、フェアリーではなくサタンを連想させます。 何れにせよ、雰囲気は、陽ではなく陰ですな。 ヤマトシリアゲは、 2億5000万年前までのベルム期から生息していた、 シリアゲムシ目に属する非常に起源の古い昆虫だそうです。 長い歴史を持つ昆虫という種族の最初の頃から存在していたとされています。 その証拠となる化石なども発見されているそうです。 ベルム紀とは、以前は二畳紀(にじょうき)と呼ばれていたらしいですな。 そういえば、親爺が幼いころの図鑑には、 二畳紀という文字があったように記憶しています。 石炭紀の後で、三畳紀の前の紀です。 古生代最後の紀であって、ペルム紀が終わると中生代となります。 地質時代の区分はどうでもよいとして、 シリアゲムシは25万世紀(1000年×25万)も前から、 連綿と種を繋いできたということになります。 しかも、今でも野山には普通に生息しているのです。 大袈裟にいえば、生きている化石。 完全変態する昆虫の中では最古の部類です。 著名なシーラカンスよりは出現が遅いものの、驚異的な種の保存能力と云えませんか。 この長翅目からチョウやガといった鱗翅目に進化したとも云われています。 何故に知名度が低いのか、よく分かりませんね。 ヤマトシリアゲの身体的特徴は、 名前の通り大きく反り上がったお尻。 英語圏では「スコーピオンフライ」と呼ばれているのです。 この子は♀で、反り上がりは遠慮がちです。 ♂の腹部は、まさにサソリのような形状をしています。 サタンの資格十分ありと見ました。 年に二度の発生で、秋に出てくる後期のものは飴色の体色をしています。 このことから、ベッコウシリアゲとも呼ばれ、 以前は別種と考えられていたこともあるそうです。 ヤマトシリアゲの成虫は、昆虫には珍しく雑食性です。 他の昆虫を捕食したり、死んだ昆虫や小動物の、木苺など様々なものを食します。 このように、幅広い食物を食することができる能力によって、 数億年もの長い間、種を保ち続けることができたのかもしれませんね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.06.05 17:56:47
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