紹介文
飲むほどに陶然としてきて、幸福になり、虚しくなり、実に淋しい。「ジン」は恋の味――。35歳で小説を書きはじめて10年。仕事のペースもつかみ、遊びのコツも心得、家族とも上手く折り合いをつけ、女として最も美しく洗練された季節の中にいる。充実しているが波乱もない。そんな日常では、ジンが内蔵をこがし、太陽が皮膚をこがすように、恋に身をこがすことは不可能なのだろうか? 女ざかりの季節の中で、こだわっていること、ものについて語る、オリジナル・エッセイ集。
ジンは心を酔わせるの【電子書籍】[ 森 瑤子 ]
これも割と初期のエッセイ集ですね。
なのに、すでに何度も同じ話が繰り返されています。
本当に常にネタ切れなほどエッセイ量産してたのねぇ。
しかし、夫のことを”典型的な”イギリス男、としておりますけど・・。
・・世代が上なのでよくわかりませんが、普通というよりも
ちょっと変人ぽくないですか?
それとも現在80代以上の”典型的な”イギリス人は日曜日でも朝からネクタイ締めて朝食を食べてたんですかねぇ?
この国にもイギリス人たくさんいるけどそんな人見たことないわ。
エッセイの中でイギリス留学に行くことになった”おしゃべりで浪費家で甘やかされた”と書かれていた長女は現在インテリア・デザイナーとして活躍されているんだそうです。
そして、母・森瑤子のことを、
「母の海外取材に同行できたのは貴重な経験ですが、自分たちのことを書かれるのはすごくイヤでした。良いことを書いてくれればいいのに、面白おかしく、大げさに書いてしまう。文句を言うと『あなたはそのおかげで英国の大学に行かせてもらえたでしょ』と反論されました」と近年語っています。
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作品から感じた母の思い ヘザー・ブラッキンさん
このエッセイでも相変わらず夫婦の危機やら不倫論やらアタシは旦那に文句言われながらもやることはやる女、的な思わせぶりな文章ですが娘さんはお父さんに関して
「日本語が読めない父は、母の作品について他人から聞いて傷つき、何度も母と衝突していました。ドラマ『マッサン』が放映され、竹鶴夫妻をモデルにした母の作品『望郷』が復刊したので、英訳して父に渡しました。父は初めて私を通して母の小説を読みました。とても感心していました。安心したと同時に見直したんじゃないかな」とも言っておりますからアイヴァン氏にも同情すべきところはあったんでしょうね、って普通そうですよね。
妻があたかも自分が主人公であるような設定で不倫の小説やらエッセイですら彼氏?ふふふ、恋っていいわよね、なんて書いてたら。
作品中何度も出てくる読んでて恥ずかしくなるほどべたべたにほめまくられている俳優ってのは近藤正臣さんらしいですがご本人は恋人ではなかったと証言しています。
でも事実があったにせよなかったにせよあったような小説やエッセイ、あんだけ書かれてたら営業妨害ではなかったのかしら?
ってかアイヴァン氏じゃなくても面白くないでしょうねぇやっぱり。
時代が時代でしたのでうっかり小金を手にしてしまった女流作家が男を侍らすバブリーな図も桁が違うようで。
コチラの記事も興味深く読みました。
森瑤子の帽子
いずれにせよ華やかな時代も、森さんももうこの世にはなく。
諸行無常。
ネコ仕様のジン発見。超欲しい。