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2007年08月01日
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カテゴリ:文芸評論
デートは死体発見現場で

棟居刑事は、いつも比較的控え目であるが、本書では割合目立つ存在だ。
山を愛する棟居刑事と桐子は二度登場するが、二度目は、二人が死体発見現場でデートする。
桐子の洞察力も、敏腕刑事並である事には、いつも感嘆させられる。

さて、事件とその捜査は、いつもの森村節だ。
本書では、犯人は誰か?という事を追求するより、その動機に鋭く深く迫ろうとしている。
作家生活の長い著者は、推理の対象を、犯人を追うという表面的な点のみに留まらず、
その対象を人間の心の深層部分を追う事に、重点を移してきた。
その点で、本書の内容は深く、最後まで完全に読了しなければ、納得しにくい。

また、社会派的テイストも加味されているが、
本書は、本格的な社会派推理というより、深層心理テイストの作品だ。

文章の体裁なども、読みやすく親しみやすい。
完成度の高いエンターテインメントだと言える。





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最終更新日  2007年08月01日 23時30分59秒
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