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カテゴリ:文芸評論
大人の余韻
主要登場人物は、ほとんどが、在日コリアンの人々だ。 中華料理店を拠点に、クラブ、カフェバー、不動産業などを経営している。 しかし、皆が行き当たりばったりの生活をし、経営もかなり放漫なので、営業成績は、あまり芳しくない。 まず、日本の仕事社会の、在日外国人に対する閉鎖性を、再認識するが、物語の主眼は、その部分ではない。 行き当たりばったりながら、それぞれが、それぞれの自尊心を持って、懸命にあがいている。 物語が中盤に差し掛かる頃から、大変スリリングな展開となり、手に汗握る。 物語は、意外な方向に展開し、重苦しい雰囲気の中で、恋愛感情が芽生える。 そして、最後の一行は、自分自身を知るという点で、多くを語る。 展開の意外性も面白く、長編作品としての、読み応えは十分だ。 読後は、しみじみと、大人の余韻に、浸る事が出来る。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年05月20日 02時36分04秒
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