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Headline News

2020.01.12
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カテゴリ:社会・政治・時事
​ 近年、インバウンド(訪日外国人)の数は飛脚的な伸びを見せてます。
 「観光立国」を目指す政府としては、ねらい通りなのでしょうが、
 観光客の急増により、「観光公害」ともいうべき現象が各地で発生しています。
 京都をはじめ日本各地で、昔ながらの風情が失われつつあるのです。

 この「オーバーツーリズム(観光過剰)」は、世界中で問題になっています。
 バルセロナやフィレンツェなどでは、観光客により住民の生活が脅かされ、
 「ツーリズモフォビア(観光恐怖症)」という造語まで誕生しています。
 今、適切な「マネージメント」と「コントロール」が求められているのです。

   ***

  一方、宮内庁が管理する京都の桂離宮や修学院離宮も名所ですが、
  これらは観光ブームが始まる以前から事前申し込み制を採用し、
  観光公害をまぬかれた成功例です。
  桂離宮はネットを通じて予約申請ができ、
  18年秋からは入場料を徴収するようになりました。
  先駆けてそのような「コントロール」を行ってきたからこそ、
  価値が守られているといえるでしょう。(p.86)

本著にも記されているように、京都の観光地では、平日でも人が溢れかえっています。
清水寺や錦市場、嵐山等は連日大賑わいで、外国人の占める割合は相当なものです。
それに比べ、宮内庁管理の京都御所や京都仙洞御所、桂離宮、修学院離宮は別世界です。
職員の方の丁寧な説明を聞きながら、本来の風情をゆっくりと味わうことが出来ます。

  「不便はすなわち悪」、
  あるいは「醜悪な建造物を見ても何も感じない」といった意識が強いままでは、
  国にどんなに観光資源に恵まれた場所があろうとも、真の観光立国に結び付きません。
  その意味で、観光公害の責任は行政や業者だけでなく、
  国民自身にもあるのです。(p.117)

素朴で美しい景色の中に、観光客に便利なようにと道路や駐車場を建設し、
安全性を高めるために、山や川にコンクリートを敷き詰め、
景観にそぐわないハコモノを建設することを、著者は嘆いています。
本当に大事なものを守り、それを見てもらい、味わってもらうことが大切なのです。

  言語だけでなく、さまざまな文化や生活習慣を背景に持つ観光客に対して、
  どのようにマナーを喚起するか。
  それについては世界中が試行錯誤を続けている最中です。(p.135)

観光地には、「旅の恥はかき捨て」という心理が働くためなのか、
それとも、自国での常識が訪問先の国の常識と異なるためなのか、
目を覆いたくなるようなマナー違反やルール違反が溢れています。
そして、この状況は、世界各地の観光地で起こっているようです。

  一方で第1章で触れたように、
  歴史として日本は江戸時代末期に「開国」されたものの、
  本当の意味での開国はなかなか達成されなかった、という事情があります。
  現在のインバウンド増加で
  これまであまり見かけなかった国からも観光客がやって来るようになり、
  ようやく本当の開国が始まった、というのが現状です。(p.161)

これは、島国日本も、全世界的な情報網や交通網の発展の中で、
いよいよ真の国際化を迫られる状況になったということでしょう。
こんなにもたくさんの外国人が、日本国内を闊歩する状況はこれまでなかったことで、
どのように対応すべきか、まさに今、早急な対応を迫られているのです。

  ではもう一つの個人旅行者を誘致する「小型観光」をモデルに考えてみましょう。
  徳島県の一棟貸しの宿泊施設群「桃源郷祖谷の山里」と「篪庵」の9件で、
  1年に約3000人が宿泊しています。
  1日にすると約10人ですので、地元の生活などへの悪影響はほとんどありません。
  ここに来る人たちは、宿泊を伴いつつ、それ以外にもお金を使ってくれます。
  宿泊や食事代などの金額を推計すると、一人あたり1日で約1万5000円弱です。
  一方で。大型バスでのスポット観光はどうか。
  一般的に計算すると、40分ほど滞在する場合、自販機の飲み物代と土産物代、
  それに駐車場代を加えて、一人700円ほどと推計できます。
  この計算では同じ売り上げを達成するためには、
  6万人以上の旅行者が必要となってしまう。(p.184)

これは、本著における著者の主張の中でも特に重要と思われるものであり、
今後、日本が「観光立国」を掲げ続けるならば、
絶対に押さえておかねばならないことだと感じました。
そのことにより、日本の「良きもの」を守り、観光客に楽しんでもらえると思います。





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Last updated  2020.01.12 16:32:40
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