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カテゴリ:文芸
かなり売れている一冊と知り、早速購入して読んでみました。
それから、TVドラマ化され現在放映中と知りましたが、 まだ、全く見ていません。 もう、少し早く気付いていれば…… *** 24歳の御厨美帆は、勤務先で教育係としてお世話になった小田街絵がリストラされモヤモヤ。 その気持ちを恋人・長谷川大樹に分かってもらえず、さらにモヤモヤ。 そんな時、保護された犬猫を育てるボランティアブースで一匹のチワワに遭遇すると、 ペットを飼うため家を購入しようと思い立ち、5つ年上の姉・真帆に相談します。 まずは1千万円を貯めるため支出を見直し、1日百円の貯金を始めるよう助言された美帆は、 『8×12は魔法の数字』の執筆者・黒船スーコのセミナーに3千円で参加。 スーコは、月8万円貯めれば1年で百万円、30代のあなたなら60歳の定年までに三千万、 20代なら四千万が貯まり、それを3%複利で運用すると約4900万と約7740万と語るのでした。 *** 以上が、第1話「三千円の使いかた」のお話の概要。 第2話「七十三歳のハローワーク」では、資産運用に励んできた美帆の祖母・琴子が、 夫の死後年金が半減し、貯蓄が目減りしてきたことで、今後の生活に不安を感じ始めます。 そんな時、嫁・智子の依頼で引き受けた「おせち料理教室」でちょっとした収入を得た琴子は、 それを機に就活に励み、有名な和菓子店・湊屋の看板娘としてデビューすることに。 第3話「目指せ! 貯金一千万円!」では、友人たちとランチを共にした井戸真帆が、 23歳で同い年の夫と結婚したことをどう思われていたかを知り、考え込んでしまいますが、 妹・美帆や祖母・琴子と話をする中で、少しずつ気持ちを立て直していきます。 そして、ある夜突然、ランチで羨むような姿を見せていた友人から電話がかかってきて……。 第4話「費用対効果」では、琴子の歳の離れた男友達で、今年40歳になる小森安生が、 彼女・きなりに結婚を求められますが、明確な返事をしないままサンマ漁の季節労働へ。 しかし、そこで良からぬ関係になった女子大生が、安生の家にやって来て大騒動に。 そして、琴子に背中を押された安生は、きなりに正面から向き合うことを決意したのでした。 第5話「熟年離婚の経済学」では、御厨智子が開腹手術後の10日間入院を経て帰宅した際、 夫・和彦と夕食や家事についてやりとりする中で、気持ちを沈ませていきます。 親友から熟年離婚の現実を聞かされ、自分の家計を改めて見直す智子。 そして、病理検査の結果を聞いた智子は、黒船スーコに相談し、夫にある提案をしたのでした。 第6話「節約家の人々」では、御厨美帆が、スーコの節約講座で知り合った沼田翔平と結婚へ。 しかし、彼に550万円もの奨学金返済義務があることが判明したり、 彼の両親の考え方や生活の在り様に疑問を感じたりするようになって、前途多難。 美帆は両親と一緒に翔平が作ったポスターを見に行った後、改めて彼と話をしたのでした。 *** 垣谷美雨さんによる巻末の解説 『「他人は他人、自分は自分」と、あなたか心の底から割り切れていますか?』 が、とにかく秀逸。 これを読むために、本著を購入する価値があると言っても良いほど。 私自身は、第2話「七十三歳のハローワーク」が、最も心に残るお話でした。 先日読んだ『ほんとうの定年後』に通じる内容であり、 「地域に根差した小さな仕事で働き続けること」や 「自身の老後の豊かな生活の実現と社会への貢献を無理なく両立させる社会」が、 見事に表現されていました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.02.05 13:30:13
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