時代の変化---------!!
流行病に大飢饉。
のろしのような煙があがっているのは、死人を焼いている印。
町へ澤村と視察に出た家光は、土壁の藁を食べようとしている者を目撃。
人々のあまりにひどい有様に驚きを隠せない。
更に町の中心部には女子ばかり。
籠を担いでいるのも、商売をしているのも…。
皆、どこの家も男子は赤面疱瘡を恐れて家から出さないというのだ。
そのため女子は髪を結い上げている者が多いよう。
それは仕事がしやすいようにということらしい。
思わず自分の下ろした髪に触れてしまう家光。
そこで、立ち寄った櫛屋で品物を購入しようとしたのだが・・・。
奥にもっとよい品物があると、座敷に案内された家光と澤村。
怪訝に思いつつ待っていると…現れたのは、この店のせがれ。
どうやらここの店主は息子に8両で遊女めいたことをさせているよう。
金を持っている者にしか会わせない。
そういう事なんだろう。
かつては繁栄を誇った吉原も、赤面疱瘡のせいで、男子が激減。
今ではさびれ、いるのは売れ残りか、病もちの男ばかり。
だが、それでも女子は己が子が欲しいと思う者が多いと言うこと。
城へ戻った家光は早速六人衆を呼べと、正勝に命じる。
春日は家光にもしもがあれば大事だと、お忍びをとがめるも、家光は大丈夫だと聞かない。
そこで、飢饉の対策として民に7日間粥を振舞えばどうかと提案する家光。
ただしそれは、百姓を救う為ではなく、高まる一揆への気をくじくため。
なるほどな提案に、すぐに動き出す六人衆。
更には百姓達が貧しさ故、田畑を売ってしまい、更に米の収穫が減るのを懸念した家光は田畑の売買禁止を命じる。
家光のあまりに的確な政策を頼もしく思う六人衆だった・・・。
一方、有功の頼みで、彼の代わりに家光の側にあがることになった玉栄。
上様に子を。
それが有功の願い。
玉栄には、主の強い思いのこもった目に逆らうことなどできなかった。
前髪を剃り、結い上げた姿は立派な男子。
その夜、少し話をしようと言い出す家光。
自分が気に入らなければ、有功に恥をかかすのだぞという家光に、玉栄は苦しそうな表情を見せる。
そう、たとえ玉栄が家光に気に入られようが、気に入られなかろうが、有功を苦しめることに変わりはないのだから。
では、なぜここに?
心苦しいに決まってる。
けど、それを玉栄に頼まなければならなかった有功はもっと苦しかったはず。
「私は有功様のお苦しみを見るのは、何より、
何よりつらい。
そやからここへ来ました」
今晩を境にこの絆は変わらないか?
それは分からない。
けれど、今はお夏がいる。
彼に負けることは許されない。
だから、自分のことは有功よりお気に召してもらっては困るが、お夏よりはお気に召してもらわなければ困ると言い出す玉栄。
わはは!!
なんという自分勝手な要求。
無礼な男。
だが、玉栄が仕えるのはあくまで有功なのだ。
ずけずけという玉栄を気に入った家光。
自分達はどこか似ている。
有功とどうにかなる。
それは要らぬ心配だという家光。
「有功はそなたが好きなのだ」
そして、自分からキスをしかけた家光。
玉栄もそれに驚きつつも、キスを返すのだった・・・。
翌朝、部屋へ戻ろうとした玉栄は、有功の姿を見て思わず隠れてしまう。
だがそこへやってきたお夏に、自分が子種がないからと、卑しい身分の部屋子を差し出すなどといわれている有功に黙っていられなくなった玉栄は思わず飛び出してしまう。
有功がどんな気持ちで!!
だが、すでに玉栄も側室となった身。
卑しい身分だなどといえば、それこそ問題ではないのか。
玉栄を連れて部屋へ戻る有功。
お夏、ざまぁ!!
そして、そんな玉栄に、有功は今まで通り「そなたはええ子や」と告げるのだ。
「ありがとう」
その日、有功を呼びつけた家光。
千代姫をあやしている家光の姿をまぶしそうに見つめる有功。
「面白かった」
玉栄のことをそう称した家光。
「不思議な子です。
生きる力も強いが、運も強い。
私とはまるで違う。
それにもかかわらず、いや… であるからこそなのか
あの子は私の分身のような気がするのでございます。
私が光なら、玉栄は影」
昔、玉栄を見た僧が、将来天下人になる相が出ているといったことがあった。
そうなればいいと思っているのか?
家光の問いに「はい」とかみ締めるように答える有功だった・・・。
さて、今日は八月朔日。
諸大名が登城し、公方様に祝賀を述べる日。
松平は息子が娘なので、無事挨拶が済んだことにほっとした様子。
だが、輝綱は笑って父に告げるのだ。
ここには男のなりをした女子が多いと。
一方、稲葉家では・・・雪はやはり正勝が生きているのではないのかと気になっているよう。
そして、上様が正勝ではないのかと思っているようで。
だが・・・どうやら正則、彼もまた赤面疱瘡にかかってしまったようで・・・。
あぁぁぁ、そのあせもと思われる赤い湿疹がぁ(><)
男子がここまで育たないのは、もはや危機的状況。
一時的に、諸大名も、女子の後継が立つことを許さなければならないのではないのか。
皆がそれを分かっている。
だが、それを許さない春日。
男子は今5人生まれて1人が育てばいいという時代。
もはや武士の時代など遠い話なのだ。
だが、正勝が自ら家光は名君にふさわしい器だと称したのだ!!
松平もそれに賛同。
「すべては徳川家の治世を守るためでござる」
6人衆と、息子にまで諭され、すっかり老いた春日はそれ以上何もいえなくなってしまう。
だが、そのとき、庭に菊の花が集められているのを見てしまった春日。
どうやらこの菊見の会を提案したのは有功のよう。
春日はここは宮中ではないと激しく有功を糾弾。
洒落た格好をして、上様を守るのが武士なのにと言い募る春日。
だが、この装束は有功が上様から賜ったお扶持で作られているというのだ。
食事も普段通りのもの。
酒に菊の花びらを浮かべ、風情を楽しんでいるだけだと。
剣術の鍛錬も怠ってはいない。
「この大奥に一生とらわれの日々を過ごす者達が、
せめてもの慰みに一夜、皆で菊をめでることのどこがいけませぬのか?」
最早立場逆転か。
春日に言うなりだった有功とはもう違う。
彼もまた強くなったのだな。
だがそのとき、春日が誰も自分のことは聞かぬと興奮してしまったか、倒れてしまったのだ!!
心配して駆けつける家光。
だが、正勝曰く、歳なのと、どうやら春日は薬断ちしているという話なのだ。
家光が部屋に入った際、春日はそれでも気丈に頭をたれて待っていたのだ。
こういうところが春日だなぁと。
そして、薬を飲まないのは、先代の家光を救えなかったからだというのだ。
だが、薬を飲めと命じる家光。
薬絶ちの話を聞かされた有功は、なんだかんだといいながら春日を心配する家光に、まるで母を案じているようだと言う。
それを認める家光。
母と引き裂いたのも、有功との仲を裂こうとしたのも春日だった。
不思議なものだ。
どうやら今は矢島が春日の世話をしているようなのだが・・・彼女は千代姫の世話でかなり渋っていたよう。
その話を聞いた有功は・・・なんと、自ら春日の世話をしに部屋へ向かったのだ。
水を飲ませ、厠へ姫抱っこ(>▽<)
もちろん抵抗する春日だが、自分もまた老いれば誰かの世話になると、春日の世話を甲斐甲斐しく始めたのだ。
そんな有功が不思議で仕方ない春日。
なぜ自分のような者のために?
だがその時、村瀬が大変な報告をしてきたのだ!!
「赤面疱瘡にございます」
なんと、お楽のために雇った若い部屋子が二人発症。
更にはお楽までも・・・!!
すると、なんと有功はその3人を隔離し、春日のいる部屋の次の間に移せと命じたのだ!!
そして、有功自らがこの3人の世話をすると言い出したのだ!!
そんなことは家光が許すはずがない。
だが、それすら有功は風邪でも引いたといっておけという有功。
「私はこの大奥ではとうにいらぬ男だ」
お夏と玉栄のため・・・それはすべて家光のため・・・。
春日もそれを了承。
一方・・・やはり正則も赤面疱瘡を発症してしまったよう。
なんという想いの強さ。
大奥を、徳川家を守りたい一心の春日も、老いには勝てなかった。
だが、それでも彼女の先見の目は正しかったのだろう。
自分の代わりとなる者を、有功を見つけた。
彼なら家光のため、すべてを捧げることができる。
でも、自分も病にかかることになるかもしれない危険を冒して、看病するという有功はやっぱり仏だわ。
感情があまり表に出ない分、内に秘めたものが大きいのが有功なんだよなぁ。
お楽はやはりこの運命か・・・。
正則は気の毒としか言えないけど・・・こうなると雪がどう動くかが心配というか、怖いわ。
次回はかなり涙な展開になりそうですね。
春日局の最後、見守りたいと思います。
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